◆“気さくな兄ちゃん”から“影のある人物”まで大きな振り幅

いまや、クセのある役を演じさせたら右に出る者はいない永山ですが、2001年にデビューした彼は当初“どこにでもいそうな気さくな兄ちゃん”という印象でした。大ヒットドラマ『ランチの女王』(フジテレビ系)『オレンジデイズ』(TBS系)の両方で演じていた、妻夫木聡の友人役がまさにそれ。

そこから、彼の演技力が「ヤバい」と最初に気づかされた作品は『アンフェア』(関西テレビ・フジテレビ系)でした。主人公の女刑事・雪平(篠原涼子)の相棒となる後輩刑事・安藤。はじめはいつも通り“気さくな兄ちゃん”かのように振舞っていたのです。ところが実は連続ドラマ全体を通しての黒幕であり、思いっきり影のある人物でした。このとき永山は、ひとつの役の中で大きな振り幅を見せていたのです。

「それでも、生きてゆく」ディレクターズカット完全版 [DVD]
「それでも、生きてゆく」ディレクターズカット完全版 [DVD]
これ以降も、演じてきた役どころはじつに幅広い。『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)で、底抜けに明るいムードメーカーの役どころで楽しませてくれたと思ったら、『ラスト・フレンズ』(同)で性的虐待のトラウマをもつ繊細な青年や、『それでも、生きてゆく』(同)で妹を殺された傷をもつ青年を演じ、私たちを圧倒。

年齢を重ねていくと、『まほろ駅前』シリーズ(テレビ東京系)の便利屋や、『ハロー張りネズミ』(TBS系)の探偵などアウトローな風貌の役で男の色気を感じさせる演技も際立ってきました。