小栗は雑誌「クイック・ジャパン」(太田出版)の2014年8月発売号で鈴木亮平と対談した際、「僕らの同世代でも上の世代でも『この人、何も考えてないのによく生き残ったな』っていう人はいますから。事務所の力もありますし」「例えば『映画にしか出ない』とか言ってる人が、コンサバなテレビコマーシャルに出ているのを見ると、『話が違くね?』って思ったりするんですよ。『金もらったらコンサバなテレビコマーシャルに出るのに、テレビドラマは下に見るんだ。意味わかんねえ』って」などと発言。その流れで俳優のための労働組合の必要性も訴え、「(労働組合を)ぼちぼち本格的にやるべきだなと思っています」「やっぱり組織ってとてつもなくでかいから、『自分は誰かに殺されるかもしれない』くらいの覚悟で戦わないと、日本の芸能界を変えるのは相当難しいっすね」などと力説した。
以来、小栗といえば「芸能界を変えたい人」という認識も強いが……今回の社長就任にあたり、こうした過去の発言が一部メディアで蒸し返されたことに対してかなり神経質になっているという。一体なぜか。
「当時も芸能界批判などとそれなりに物議を醸しましたが、新社長になった小栗がピリピリしているのは、小栗が社長を務めるトライストーンが、日本最大の業界団体である『音事協(日本音楽事業者協会)』の加盟社だからです。しかも、前社長で会長の山本氏はその中核を担う理事の一人で、次期会長職も狙っているともっぱら。そもそも、小栗がかつて批判した芸能界の在り方を長年主導してきたのが音事協。そこに加盟している事務所の社長に就任した今、音事協との関係を悪くしかねない過去の発言は“なかったこと”にしたいのでは」(芸能事務所幹部)
小栗社長が芸能界の改革について語ることはもうなくなるのだろうか。