たとえば若林と山里に影響されたCreepy Nutsは、kreePeanutsとして登場していますが、楽曲を披露するシーンもあるのだから実名を出しても良かったはず。あと、オードリーのブレーン的存在である、どきどきキャンプの佐藤満春さんは、わくわくテントの鈴木足秋として登場。彼もまた実名でない理由がよくわかりません。一方で、山里さんと結婚した蒼井優さんは、新聞記事という形ではあるものの、本人の名前も写真も登場しています。実名であるか否かの境界線がよくわからず、困惑する視聴者も少なくなかったと思います」

 そのほか、若林の結婚についてはほとんど触れられていないなど、明らかに重要そうな部分が描かれていないという点も指摘されている。

「若林さんや山里さんの意向もあるでしょうし、全部が描かれないのは仕方ないことですが、どこか不完全な印象が拭えない。にも関わらず、最終回だけ妙に現実とクロスオーバーしていて、そこも違和感になっていた。そのあたりのバランスが取れていないというのは事実だったと思います。

 ただ、これがもしNetflixなどのネット配信ドラマだったら、こうはならなかったのではないかとも言われています。制作期間も長いし、制作費も潤沢なので、しっかり準備してディテールにこだわったものになっていたはず。作り込みが不十分だったのは、ある意味、地上波ドラマの運命、というか限界ということなのかもしれません」(同)

 制作費で勝るネット配信ドラマと戦わなければならない地上波ドラマ。その厳しい現実が垣間見えたドラマだったと言えそうだ。