こうした一連の発言に対して、ネット上では「ジャニーさんに恩義があるのは分かるけど、事務所は十分な対応をしてないのに『ジュリーはみんなで守ろう』って本当に空気読めてない」「ことの大きさを理解してない……冗談半分で語っちゃいけない問題でしょ」といった否定的な意見が飛び交っている。その一方で「自分の美学を曲げないトシちゃんらしいと思う」「良くも悪くも空気を読まないのは一貫してる」と支持する声もあり、賛否両論となっているようだ。

 ジャニー氏やジュリー社長らへの発言は彼なりのジョークという部分もあるのだろうが、田原といえば、過去には同じくジョークのつもりで放った「僕くらいにビッグになっちゃうと」という発言でマスコミから猛バッシングを浴びたことがある。その後しばらくは仕事が激減されることにもなったが、この猛バッシングや仕事の激減は、ジャニーズ事務所から独立しようとしていたために田原の後ろ盾がなくなったことに起因するとも指摘されるが、今回の“ジャニー氏礼賛”発言によって「何を言いだすか分からない要注意人物」だと認識されれば再び大手メディアから姿が消えてしまうおそれもある。もっとも、近年の田原の主戦場はコンサートやディナーショーなどのライブ活動になっており、もともとテレビなどの大手メディアに頼っていないという自負が自由奔放な発言につながっているのかもしれない。

 同時代にアイドルとして活躍した近藤真彦は、ジュリー社長が「(当時の被害実態を)知らなかった」と釈明したことを意識してか、性加害問題について「知ってた、知らなかったじゃなくて、もう知ってるでしょと。隠しごとはなしにね、嘘はなしに、正々堂々と話をしてもらえればなと。じゃないと、みなさん納得しないと思いますけどね」と突き放すような言葉で語ったが、これに比べると田原は良くも悪くも世間のムードに流されないタイプだといえるだろう。

田原は昨年9月に始めたYouTubeチャンネル「田原トシちゃんねる!」にて先月、性加害の現場にもなったといわれているジャニーズの合宿所について語った動画を公開し、40万回以上の再生数を記録するなど注目を集めたが、ファンからは「この時期にこの話題で話せるってある意味すごい」「このタイミングで合宿所ネタをぶっ込んで来るトシちゃん私はほんと好き」と感心する声もある一方、性加害問題を利用しているとの批判も出ていた。いずれにしても“当事者”のひとりである田原は今後も発言のたびに物議を醸しそうだ。