お金持ちが奢る本当の理由
お金持ちが人に奢りやすい背景をいくつか紹介してきましたが、奢ることはお金を消費しているだけのようにも思えます。しかし、お金持ちは奢ることを「投資」だととらえているのです。
お金持ちが誰かと食事をする場合、ただ楽しい時を過ごすことだけでなく、良好な人間関係を築いたり、何らかの情報を得たりすることを期待しているものです。飲食の時間がビジネスの発展や資産を増やすことにつながるのであれば、それは単なる「消費」ではなく将来への「投資」です。
また、お金を払ってもらった側は、払ってくれたことをありがたく思い、何かの機会にお礼をしようとするでしょう。どのようなお礼であっても、何かしらの見返りが期待できます。
お金持ちは、ほかの人と無駄に飲食はせず、得られるものがあることを見越しています。ですから、一緒に食事をしたりすることに意味を見いだせない人とは、今後同席することはないでしょう。一度の食事で自ら奢ることで、相手の価値を見極められるのであれば、それも大きな収穫です。
さらに、本業であれ副業であれ、仕事に関係する食事代は交際費や会議費などとして一定額を経費に計上することができます。経費計上すれば節税になりますから、食事代などを肩代わりすることは、お金持ちにとっても直接的なメリットがあるのです。
お金持ちの思考法をまねてみては
今回は、お金持ちならではのお金の使い方についての思考方法を紹介してきました。お金持ちだから奢っているのではなく、奢るという「投資」によってお金持ちになっているのだとわかって頂けたかと思います。
お金持ちと同じように、将来に投資するつもりで飲食してみてはいかがでしょうか。逆に、奢ってもらう機会のために、自分がどのような価値を提供できるのかを考えておきましょう。
文・岡本一道
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。