◆私のお芝居における、一つのターニングポイントです!

 今回私がご紹介させていただきたい作品は、’19年公開の映画『わたしは光をにぎっている』です。

 主人公の澪は20歳。人としゃべることが苦手で、自分の気持ちもうまく伝えられず、周りに察してもらいながら生きてきた彼女が、生まれて初めて一人になる。そこで見えた景色とは――。

銀幕ロンリーガール/松本穂香
『わたしは光をにぎっている』より
 実はこの作品、私が主演を務めさせていただいた映画なんです。これぞ手前味噌! ですね。恥ずかしくて読んでいられないという方もいるでしょうけれど、できるだけ丁寧な気持ちで綴りたいと思うので、最後までぜひ。

 今だから言えることですが、この映画が私のお芝居における一つのターニングポイントでした。当時の私は、いろんなものを一人で抱えすぎたからか、自分のできることもできないこともわからなくなっていた状態。体は元気なのに、心がぽっかりと穴が開いているようでした。そんなときに向かったのがこの作品だったんです。