雨の季節ならではのお楽しみといえば紫陽花散歩。晴れていればもちろん楽しいですが、雨にぬれるアジサイの美しさには、うっとりします。都内からでも日帰り可能な北関東の紫陽花スポットをご紹介します。激混みしないのも魅力です。
アジサイの豆知識
万葉集にも登場する紫陽花は、日本固有の植物でしたが、花の美しさに魅せられるのは世界共通。長崎を訪れた医師であり動植物学者でもあったシーボルトが、恋人の「お滝さん」にちなんで「オタクサ」として海外に紹介したと伝えられています。
海外でも人気となったアジサイは、品種改良が盛んにおこなわれ、西洋アジサイと呼ばれるものも登場するようになりました。いわゆる逆輸入ですね。現在、日本で多く見かける丸いてまり型のアジサイは、ほとんど西洋アジサイで、日本古来のものは、額ぶちのように周りにガク(花びらにみえる)が咲いている額アジサイです。
アジサイは、土壌のph(水素イオン濃度指数)によって花の色が違うと言われますが、酸性だと青系になり、アルカリ性だと赤系になる傾向があります。ただし近年では品種改良によって、土壌に左右されないものもあるようです。
雨引山楽法寺(あまびきさんらくほうじ)
安産や子育て、厄除けなどのご利益があるとされている雨引山楽法寺。雨引観音と呼ばれ、桜の季節にもにぎわいますが、茨城のアジサイ寺として有名で、その季節には多くの参拝客が訪れる大変人気のスポットでもあります。
朱色の門が見える階段は、全部で145段あり、「厄除けの石段」とも呼ばれる石段の両脇には、10種3,000株ものアジサイが咲き競います。
また、手水舎や池一面に浮かべられるアジサイの美しさは格別です。例年の開花時期は、6月上旬から7月中旬となっており、期間中にはあじさい祭りが開催されます。夜間にはアジサイのライトアップも開催されます。
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保和苑 / 大悲山保和院桂岸寺(だいひざん ほわいん けいがんじ)
その昔、「黄門さま」と親しまれた徳川光圀公が、お寺の庭を愛され、「保和苑(ほわえん)」と名付けられたお寺です。1.5haもの境内には、100数種類、約6,000株のアジサイが咲き競います。
芝生の広場や噴水がある明星ヶ池(みょうじょうがいけ)など、池に築山を配した美しい日本庭園も見ごたえがあり、散策に最適なスポットです。例年6月には、「水戸のあじさいまつり」が盛大に開催されます。
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