住宅ローンを返済しながら教育費も準備できる?女性視点で考える「金利タイプの選び方」

住宅ローンを組むときに、変動金利と固定金利のどちらにするかで迷う人は多いのではないでしょうか。数十年にわたる借り入れの場合、金利が少し違うだけでも支払総額が大きく変わってしまいます。

将来のライフプランに響かないよう慎重に選びたいですね。そこで今回は、固定金利と変動金利の違いやメリット・デメリットについて説明していきます。

執筆・續恵美子(日本FP協会認定CFP(R))
生命保険会社にて15年勤務した後、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
生命保険会社にて15年勤務した後、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

固定金利と変動金利の特徴は?

まずは、住宅ローンの「固定金利」と「変動金利」の特徴を知っておきましょう。

●固定金利(全期間固定型)

固定金利は、正式には「全期間固定金利型」といい、全返済期間を通じて適用金利が一定です。借り入れ当初から完済まで返済額が変わらず「返済計画が立てやすい」というメリットがあります。一方で市場金利が低下しても返済額が減らない点はデメリットといえます。

家計管理をしやすいため、教育費や老後資金などライフプラン・マネープランをしっかり考えたい人には固定金利が向いているでしょう。

 

●固定金利(期間選択型)

借り入れ当初の一定期間は固定金利が適用される「固定金利期間選択型」もあります。この一定期間は3年、5年、10年などさまざまです。固定期間終了後にはあらためて変動金利か固定金利かを選ぶのが一般的で、どちらの場合もその時点の金利が適用されます。

 

●変動金利

変動金利型は、一般的に市場金利の変化に伴い、半年ごとに金利の見直しが行われます。また金利が変われば、毎月の返済額も変わります。金融機関によっては以下のような2つのルールを採用している場合もあるため押さえておきましょう。

  • 5年間は返済額が変わらない
    ・見直し後の返済額は、変更前の返済額の1.25倍が限度

変動金利は将来の予測がしにくく総返済額が確定しないため、家計管理という観点で見れば計画が立てにくいでしょう。しかし、「固定金利よりも金利が低い」というメリットがあります。住宅ローンを申し込む時期が同じ場合、金利は高い順に「固定金利」「固定金利期間選択型」「変動金利」となるのが一般的です。もし途中で金利が上がっても対応できる余裕がある人は、変動金利を選んで低金利を享受するのも賢い方法かもしれません。

住宅ローンの動向

住宅ローンは、金利の推移と最近の傾向、現在の経済状況などを踏まえて選ぶことが大切です。参考として金利タイプごとの金利水準の差がどの程度か、知っておくといいでしょう。

金利タイプごとの金利水準(2020年8月現在)

固定金利型 年1.310~2.060%
固定金利期間選択型(3年) 年3.0%(中央値)
固定金利期間選択型(10年) 年3.0%(中央値)
変動金利型 年2.475%(中央値)

参照:固定金利は住宅金融支援機構の金利情報より「新機構団信付き【フラット35】借入期間:21年以上35年以下/融資率9割以下」、その他の金利タイプは住宅金融支援機構の「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」のデータをもとに筆者作表。
※変動金利型の金利について:実際は優遇金利が適用になり、1%を切る金利になることが多くなっています。

どのタイプでも実際には金融機関や借入期間、借入金額などさまざまな要素で金利が変わります。複数の金融機関で比較することが大切です。

住宅ローンを返済しながら教育費も準備できる?将来も考えてしっかり検討

「住宅ローンを返済しながら教育資金の準備がきちんとできるか」「返済中に病気になったらどうしよう」など、ローンを組む際にはさまざまな不安があることと思います。特に女性の場合、自身の身体のことや子どものことは、男性以上に不安を感じる方も多いでしょう。

毎月の住宅ローンの返済負担が大きいと、子どもの教育に思ったようにお金をかけられない……そういったこともあるかもしれません。また、一定の年齢になると自身や夫の健康不安も出てくるかもしれません。教育ローンなど複数のローンを組むことを避けるためにも、少しでも金利が低いローンを選べるといいですね。

金融機関によっては女性向けの住宅ローンを取り扱っているところもあります。通常よりも適用金利が割引されたり疾病保障特約が付帯されたりしているものもあるため、利用を検討してみるといいかもしれません。

ちなみに変動金利の場合、仮に途中で返済額が上がっても上記の2つのルールを採用している金融機関の場合は1.25倍までです。しかしこれは、返済額に対するルールで適用金利に対するものではありません。未払い利息などの形で後々徴収される可能性もあるため、多額の資金が必要となる進学のタイミングと重ならないか、確認しておきましょう。

住宅は一生の中で一番大きい買い物といいます。人生にはさまざまなイベントがあるでしょう。さまざまなケースを想定して、住宅ローンはしっかりと検討しましょう。
 

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