「何かを買うと気持ちが落ち着く」「買い物をせずにいられない」。そのような買い物依存の状態は、実は特別なものではありません。特に女性や真面目な性格の人に多く、ちょっとしたことがきっかけで誰でも買い物依存症になる可能性はあります。買い物依存症になった女性のエピソードをもとに、その原因や症状を見てみましょう。
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最初はポイ活のつもりが
ご主人と子ども2人の4人で暮らすKさん(37歳)は、ごく普通の主婦でした。子どもがまだ小さくご主人の仕事も忙しいため、働きに出ることは諦めていたそうです。そんなKさんがハマったのが、主婦のお小遣い稼ぎにもピッタリのポイ活でした。
最初は普段の買い物で貯める程度でしたが、いつしか「ポイントがつくから」と積極的に買い物をするようになったと言います。そしていつの間にか家の中は、一度も使っていない子ども服や日用品などでいっぱいになっていました。
さすがに見かねたご主人に指摘され、ポイ活のつもりが買い物依存に陥っていたと気づいたそうです。自らの行動を振り返り、「今思えば、家でずっと子どもの相手をすることに孤独を感じてたのかも」と思ったそうです。
夫の浮気がきっかけで
ご主人と2人暮らしのTさん(39歳)は、もともと買い物好きでした。とは言え、普段は月に1回、給料日のあとにショッピングをする程度だったとか。
ところがあるとき、Tさんにショッキングなことが起こります。ご主人が浮気をしていることに気づいてしまったのです。怒りや不安、寂しさなど、いろいろな感情が一気に押し寄せ、その捌け口としてTさんが選んだのが買い物でした。ご主人を問いただすこともできず、そのストレスからまた買い物に走り……という日々を繰り返すうち、買い物依存症になったそうです。
最終的にはカードの明細がきっかけでご主人に買い物依存症がバレ、そのタイミングで、Tさんもご主人の不貞を逆に問い詰めることに。罵り合いの末、離婚に至ったそうです。
コロナ自粛でストレスが溜まって
地元の企業で働くSさん(30歳)が買い物依存症になったのは、ごく最近のことだそう。きっかけとなったのが、長く続いた「コロナ自粛」でした。いつもは仕事帰りに街をブラブラし、ウィンドウショッピングをするのが楽しみでしたが、自粛中はそれすらできません。
そこで、自粛生活中のストレス発散方法としてSさんが辿り着いたのが、通販サイトでの買い物でした。お店によってはタイムセールで50~70%オフになっていることも多く、「今買わなきゃ損!」という思いに駆られたとか。どうしてもそれが欲しいわけではないのに、「購入」のボタンを押す瞬間が快感で、気づけばやめられなくなり買い物依存の状態になっていたそうです。
カードローンの便利さにハマり
中小企業で事務の仕事をしているAさん(31歳)は、就職してひとり暮らしを始めてからずっと堅実な生活を続けていました。ところがあるとき思わぬ出費があり、仕方なくカードローンを利用することになったそう。
最初は1回きりのつもりでしたが、カードローンの便利さに気づいたAさん。その後も、お金が足りなければ借りるという生活を繰り返すうち、暮らしぶりは身の丈以上の贅沢なものになり、そこから抜け出せなくなっていきました。
「ずっと節約生活をしてきた反動からか、買い物がやめられなくて」と語るAさんが事態の重大さを認識したのは、どのローン会社からも借り入れができなくなってからだったそうです。
仕事に家事に育児……募る見えないストレスで
夫婦共働きで子ども3人を育てるFさん(43歳)は、念願のマイホームを購入し、周囲も羨む順風満帆の生活を送っていました。ところがもとから完璧主義のFさんは、仕事と家事、育児のすべてをこなそうと自分のことは後回しで頑張るうち、見えないストレスが溜まってしまいます。
最初は「あ、いいな」と思ったブランド物のバッグを「たまには、自分へのご褒美に」と思い切って買ったのがきっかけでした。自分へのご褒美は徐々に増え、気づけば、目につくものは買わずにいられない状態だったとか。
借金も300万円まで膨らみ、さすがに隠しきれずご主人にも打ち明け、病院に通うことにしたそうです。
買い物依存症は「明日は我が身」だと心得て
見えないうちにストレスが溜まっていたり、何かショックなことがあったりと、思わぬことがきっかけで買い物依存症になることもあります。「自分だけは大丈夫」と思うのではなく、「明日は我が身」だと考えて、心のバランスや金銭感覚を上手に保てるように日頃から意識しておきたいものですね。
文・中村あずさ
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