寿恵子(浜辺南)が高藤を笑顔で振った瞬間、日本中の視聴者が一斉に「ざまあ!」と叫んだのではないでしょうか。あー、すっきりした。主人公の恋敵という憎まれ役を見事に演じ切った伊礼彼方さん、お疲れ様でした。あの金曜日は、私の中で神回認定です。

 というか、「ユウガオ」の週は「神週」、本当にすばらしい1週間でした。神週を締めくくった「ユウガオのお姫様」な寿恵子ちゃんの美しさを語る前に、まずは徳永助教授(田中哲司)の「夕顔」の話から。学会誌を作ろうと東大植物学教室が団結していくのを、ひとり、苦々しげに見ている徳永助教授。しかし、田邊教授(要潤)の「学会誌が水準に達していなければ金を出さず、一冊残らず燃やさせる」という言葉で、顔色が変わる。ぎこちない「アサガオ、ヒルガオ、ユウガオ。一つだけ異なるのは、ど…ど~れだ?」クイズを出して、異なっているユウガオを好きだ、源氏物語に出てくるから、と万太郎に打ち明ける徳永助教授。文学を愛する助教授にとって、田邊教授の「本を燃やす」発言は、人の努力をなんとも思わない冷酷さと、書物への愛のなさを感じて、二重のショックだったんじゃないかなあ。