◆“宇宙的な人”が持つ途方もない才能
岩田剛典は途方もない。いったいどんなところが?
物語の完結が近づく『あなたがしてくれなくても』第10話を見て、改めて岩田剛典という俳優について深く考えさせられた。それで思ったのである。岩田剛典とは“宇宙的な人”だということを。
これは歌舞伎役者の五代目 坂東玉三郎の言葉に由来する。玉三郎の艶姿を捉えた恐るべき傑作ドキュメンタリー映画(実際にはドキュメンタリーとフィクションの区別がつかない)『書かれた顔』(1995年)で、インタビューに答える彼が言った。
曰く、「ひとつの空間をパッと区切られたときに、その区切られた中にパッと宇宙観を表現できる人たち。それが演劇的な人たちだと思ってます」。
「EXILE」や「三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」のパフォーマーとして踊るステージ上、俳優としてカメラの前で演じるフレームの世界など、岩田がそこに存在するだけで彼はその空間を別の次元(宇宙)に変えてしまう。
これこそ、宇宙的な人が持つ途方もない才能ではないかと思ったのだ。
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