私たちが生きていく上で、お金との関係は切りはなせないものです。社会の中で自立した生活を送るためには、お金に関する知識や判断力……すなわち「金融リテラシー」を身に付けておく必要があります。そこでこの記事では、金融リテラシーとは何か、また社会人デビューしたばかりの20代のうちにどのような知識や判断力が必要かまとめてみました。
金融リテラシーとは
金融リテラシーとは「金融や経済に関する知識や判断力」のことで、私たちが社会の中で安定した生活を送るためには、お金に関する正しい知識や適切な判断力を持つことが不可欠です。
金融庁などの省庁や有識者で構成される金融経済教育推進会議は、2014年に「金融リテラシー・マップ」を発表し、国民一人ひとりが最低限身に付けるべき金融リテラシーを、ライフステージごとにマッピングして分かりやすく示しました。
このマップは「家計管理」「生活設計」「金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択」「外部の知見の適切な活用」の4項目にわかれています。
今回は、社会人として経済的に自立していくための基礎となる「家計管理」、金融商品を選択するときの基礎知識である「資産形成」の2つの視点から、20代の人たちが身に付けておきたい金融リテラシーをまとめてみました。
家計管理:社会人として経済的に自立するために
金融リテラシー・マップには、小学生から高齢者までライフステージごとに、身に付けるべき目標が設定されています。
学生生活が終わり、生活面・経済面で自立していく時期にいる若い社会人は、「家計の担い手として適切に収支管理をしつつ、趣味や自己の能力向上のため支出を計画的に行える」ことが目標です。
学生時代は社会人として自立することを前提に、収支管理の必要性や、アルバイトで収入を補いながら支出を計画的に行うことが目標とされています。そこから一歩進んで社会人になると、家計という生活面・経済面での自立を求められる時期となるのです。
具体的にはどうすればいいの?
自分のライフプランを実現するため、住宅資金、結婚資金などを念頭に置きながら、計画的な貯蓄や資産運用で将来に備えていきましょう。そのため、給料の中から一定額を天引きにする、定期積立を利用するなど、計画的な貯蓄をはじめる時期です。
一方で、社会人になるとクレジットカードなどを利用するシーンも増えるでしょう。一時的であれ借入をしているという自覚を持ち、計画的に利用する必要があります。分割払いやリボ払いの仕組みを理解し、高い金利での利用は避けられるようになりましょう。
また、会社に勤めはじめたら税金や社会保険料などの知識も備えておきたいものです。給与が支給されるタイミングで給与明細をしっかりと確認し、収入のうちの手取り額(可処分所得)、天引きされている税金や社会保険料の内容と金額を把握しておくようにしましょう。