「保険」は万が一の保障といったイメージが強い人が多いのではないでしょうか。一口に保険といっても掛け捨ての『定期保険』や資産形成を目的とした『個人年金保険』、『終身保険』などさまざまな商品があります。今回は20代の方が「時間」を味方につけて資産形成したり、資産運用したりする「保険」について解説します。
貯蓄1,000万円は現実的?20代が考えたいお金と時間の話
20代のときは「貯蓄1,000万円」というとはるか遠い目標金額で、とても実現できない金額に感じてしまうかもしれません。例えば都心で一人暮らしなどしている場合、新社会人の初任給では生活費だけでギリギリ……なんてことも多いでしょう。
生活費が大変な方であれば、1,000万円どころか貯蓄自体が無理……と感じている人も多いのではないでしょうか。しかし20代には他の年代にはない「時間」という目には見えない大きな資産があります。
例えば1,000万円を5年で貯めようと思えば毎月約16万7,000円を貯蓄しなければなりません。しかし10年で貯めるなら毎月約8万4,000円となります。20年で貯めるなら毎月約4万2,000円、40年で貯めるなら毎月約2万1,000円です。同じ1,000万円を貯めるのも早くに始めれば、「時間」を味方につけることで、月々の負担額を抑えることができます。
もし60歳までに1,000万円を貯蓄しておきたい場合、50歳からでは10年しかありません。ですが、25歳からなら35年も貯蓄できる年数が確保できるのです。
保障だけじゃない?保険で資産運用ができる
「時間」を味方につけて資産をふやす方法には、さまざまなものがあります。今回はその一つとして、資産運用に適した保険を紹介します。
保険というと、万が一の際に遺族が保険金を受け取れる『生命保険』や自分自身が入院した際に保険金を請求できる『医療保険』をイメージする人が多いのではないでしょうか。安心や安全などの“保障”を買うためにお金を払うものが保険だと認識している20代の方もいるかもしれません。
しかし保険には資産運用を目的としていたり、資産運用効果が得られたりする商品もあります。例えば『個人年金保険』や『終身保険』が該当するでしょう。今回はその中でも『個人年金保険』についてくわしく紹介します。
個人年金保険とは?特徴やメリットを解説
『個人年金保険』とは、その名の通り個人で年金を積み立てるための保険です。保険料を“まとまった金額を一括で預けるタイプ”と“毎月積み立てるタイプ”の2つがあります。
“毎月積み立てるタイプ”の場合、長年コツコツと保険料を支払うと、将来所定の年金を受け取ることが可能です。受取方法は「一括で受け取る」「5年間で受け取る」「10年間で受け取る」などから選択することができます。
年金の受取開始年齢も契約時の選択により設定できるのが一般的です。保険料として支払ったお金は、保険会社がまとめて運用してくれるため、預金と比較して将来受け取れる金額が大きくなる可能性があります。
また預金と違って引き出してしまうリスクが低いのも個人年金保険の優れている点です。“ないもの”として誘惑にかられることなく継続的に貯蓄することができます。