新型コロナウイルス感染症の蔓延により「2020年の夏休みの旅行をどうしよう」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。コロナ禍で注目されているのが「マイクロ・ツーリズム」。マイクロ・ツーリズムとは自宅から比較的近いところへと出向く新しい旅行スタイルです。この記事では、マイクロ・ツーリズムの概要やすでに始まっている各自治体のマイクロ・ツーリズム促進策などを紹介していきます。
自粛後の旅行はいつごろがいい?
2020年6月に株式会社インテージが行った調査によると「次に旅行へ行くのは、いつごろを想定しているか」という質問に対して「2020年6~10月までに旅行を想定している」という回答が全体の約42.4%でした。
つまり半数近くの人が2020年の夏~秋にかけて旅行を考えていると言えるでしょう。「時期にかかわらず行かない」という回答は2割ほどあるものの、多くの人は旅行に対して前向きにとらえているようです。
出典:株式会社インテージ自粛要請解除後 初の旅行はどうなる?~ウィズコロナの旅行需要を先読み~より
2020年の夏の旅行トレンド「マイクロ・ツーリズム」って何?
そうした中で最近注目されているのが「マイクロ・ツーリズム」です。マイクロ・ツーリズムとは「密閉・密集・密接」の3密を避けて比較的近場で過ごす旅行スタイルのことで、自宅から車で約1時間圏内において感染リスクを極力抑えながら小旅行を楽しみます。星野リゾートの星野佳路社長が提唱している概念として知られ「2020年の夏休みの旅行トレンドになるのではないか」とも言われています。
例えば神奈川県に住んでいる人の場合、同じ県内である箱根や三浦半島への旅行などがマイクロ・ツーリズムにあたります。日本国内にはメジャーではないけれど魅力のある場所が想像以上にたくさんあるのです。そういった知られざる地元の魅力を再認識・再発見できるのがマイクロ・ツーリズムのメリットと言えるでしょう。
マイクロ・ツーリズムの重要性とメリット
2020年2月からはコロナウイルスの影響で訪日外客数が激減しているものの2019年の訪日外客数は約3,188万人でした。2012年の訪日外客数は約835万人だったことから約7年で約3.8倍も増加したことになります。このような中国をはじめとした訪日外客数の増加に伴い日本の観光産業はインバウンド需要に支えられてきました。
しかしコロナ禍においては、インバウンドがまったく期待できない状況です。Withコロナの社会は、1年から長くて数年かかるとも言われておりマイクロ・ツーリズムは内需喚起をする意味でも重要と言えるでしょう。さらにホテルや旅館は、その従業員だけでなく地元農家や配達業者、交通業者、周辺施設などさまざまなステークホルダーによって支えられています。
「地元経済を支える」という意味でもマイクロ・ツーリズムの果たす役割は決して少なくありません。さらに旅行者にとっても感染リスクを軽減するのはもちろん、知らなかった地元の伝統や食文化を知るいい機会にもなるでしょう。