「How To Let Go」では自分の不安について探求した
――5月10日に発売されたばかりの日本デビュー・アルバム「ハウ・トゥ・レット・ゴー」はどのような内容になっていますか?
オリジナル版「How To Let Go」(2ndアルバム)は昨年リリースされたのだけど、さっきも言ったように、私は音楽業界に有用なものをたくさん提供できると感じているの。私は自分の能力にある意味で自信を持っていて、自分のプレイリストに入れたいような曲を書いていると思う。キャッチーで歌詞に深い意味のある曲が好きなの。
だけど、「How To Let Go」では自分の不安についてより多くの探求をしたわ。私って矛盾しているところがあって、ある日は自信満々なのに、翌日には自分の能力を疑問視することもあるの。
これはアーティストにとってよくあることだと思っているのだけれど、私はそれをもっと探求しようとしているの。「How To Let Go」では自分が抱く疑念や恐れについて、「自分はこれで十分なのか?」「正しいことをしているのか?」って自分に問いかけている。どれもこれも誰もが抱く疑問だと思う。
特に20代は自問自答する時期だし、色々悩む時期でもある。このアルバムをとても誇りに思っているし、大好きなの。これをツアーで披露し、日本にも持ってくることができて光栄だわ。
そして私たちは「How To Let Go」の日本バージョンも作った。新たなマーケットだし自分を紹介したかったから、特別なものを作りたかった。マネージャーのエレナと私で「WhatsApp(通信アプリ)」を使って曲の選定についてやりとりをしたの。
最終的には、ライブのセットリストに強くインスパイアされたトラックリストになった。基本的にはライブのセットリストとすごく似ている。もう何年も、1stアルバム「Sucker Punch」と「How To Let Go」を組み合わせたツアーをしているしね。
藤井風のパフォーマンス動画に衝撃
――普段、アジアの音楽・作品は聞いたり見たりしますか?
Spotifyを見ても良い(笑)?(スマホを持ちながら)初めてアジアに行ったの。ただ空港に立ち寄ったのではなくて、実際に現地をまわったの。3月にインドネシアのバリ島に行ったんだけど、それを受けてインドネシアの音楽を聴き始めた。だけど待って。彼がどこ出身なのかはわからないのよね。
フジイ?…多分フジイカゼ(藤井風)ね。(「死ぬのがいいわ」のメロディを口ずさみはじめる)え!彼、日本出身なの?私、大ファンなの。「死ぬのがいいわ」っていう曲を聴いて知ったのよ。私のTikTokに出てきたのがきっかけね。
だから私はTikTokが好きなの。スクロールしていると曲が流れてくるからね。(「死ぬのがいいわ」の)ライブバージョンを聴いたことがあるのだけど、彼がピアノを弾いて、バックにはバンドがいた。多分、テレビのパフォーマンスだったんじゃないかな。それがライブミュージックの美しさでもあるのよね。
録音バージョンも好きだけれど、私がその曲に恋をしたのは、ライブパフォーマンスを聴いたから。彼の声がとてもクリアに聴こえたの。ピアノ演奏はすばらしかった。もちろん曲もすばらしかったわ。
それから日本のジャズ音楽もいくつか聞くの。fox capture planが、日本出身なのかどうかはわからないわ。(グーグル検索をして)ああ、彼ら日本出身みたいね。(「疾走する閃光」を流しながら)とてもクールよ。クールなタイプの音楽なの。
それから韓国ドラマも見るわ。夢中なの。「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」っていうタイトルよ。私はネットフリックスの大ファンなの。
あと実は言いたいことがあって。私の1stアルバム「Sucker Punch」に入っている「Business Dinners」はスタジオジブリにとてもインスピレーションを受けた曲なの。大ファンなの。ロンドンで「となりのトトロ」の舞台も見たのよ。ちょっとしか知らないから、もっともっと知りたいな。
――最後にTVグルーヴの読者にメッセージをお願いします。
(日本語で)わたしはシグリッドです!ここにいられてとってもエキサイティングしているわ!私にインタビューしてくれてありがとう!近いうちにまた会えると良いな。