100歳まで生きたら老後資金2,000万円で足りる？今から始めたい老後資金対策

年金以外に「老後資金は約2,000万円必要」と言われています。しかし、それだけで本当に足りるのでしょうか。仮に100歳まで生きればどのくらい老後資金が必要となるかも気になるところですよね。そこで100歳まで生きた場合に必要な老後資金の目安や、今からできる老後資金対策について解説します。

100歳まで生きた場合に必要な老後資金は約2,100万円

100歳まで生きた場合、老後資金はいくら必要になるでしょうか。2019年6月に金融庁が公表した報告書によると、夫 65 歳以上妻 60 歳以上の夫婦のみの無職世帯で毎月平均約5万円の生活費が不足。65歳から20～30年生きる場合、1,300万円～2,000万円の老後資金が必要だとされています。

こちらを参考に毎月約5万円の不足が65～100歳まで続く場合で計算してみましょう。
5万円×12ヵ月×35年となり不足額は約2,100万円です。老後資金を2,000万円用意していても100万円ほど足りない計算ですが節約すれば生活できそうな気もします。

老後資金2,000万円貯めても安心ではない

家計調査の結果はあくまでも現在の年金受給額をもとにしています。また、モデルケースは厚生年金受給世帯です。そのため自営業者など国民年金だけの世帯の場合や独身の場合など状況によっては老後資金2,000万円でも安心とはいえません。

会社員以外は老後資金2,000万円では足りない

会社員以外の人は基本的に国民年金だけです。そのため、老後資金2,000万円では足りません。2020年度の国民年金（老齢基礎年金）の給付額は満額で月額6万5,141円。先の金融庁の報告書によると高齢夫婦無職世帯の平均消費支出は23万5,477万円ですから、毎月約10万5,195円不足します。それをもとに65～100歳の不足額を計算すると4,418万1,900円。2,000万円の倍以上になります。

将来年金受給額が減る可能性がある

厚生年金の場合であっても今後は少子高齢化や景気の悪化により将来の年金給付額が減る可能性があり老後資金2,000万円では足りなくなるかもしれません。

突然大金が必要となる場合もある

大病や認知症、災害などで老後資金を大きく切り崩す場合、2,000万円の老後資金を早期で使い切る恐れもあります。そのようなことを考えると貯蓄以外の方法も使って老後資金を増やすことを考えるべきでしょう。

老後資金対策1.将来受け取る年金を増やす

まずは老後資金を増やす方法として将来の年金を増やす方法を紹介します。

パートやアルバイトは厚生年金への加入で年金を増やす

パートやアルバイトで働いている人は、厚生年金に加入する働き方を検討しましょう。加入すれば国民年金に厚生年金が上乗せされ、将来受け取る年金を確実に増やせます。

自営業は国民年金基金や付加年金で年金を増やす

自営業であれば国民年金基金や付加年金で将来の年金額を増やすことを検討しましょう。国民年金基金は、自営業などの国民年金第1号被保険者が加入できる国の公的年金制度です。厚生年金と同じように国民年金に年金を上乗せでき税金面での優遇も受けられます。

iDeCoへの加入で年金を増やす方法も

iDeCo（個人型確定拠出年金）も年金を増やす方法として有効です。日本に住むほぼすべての人が加入でき、税金面での優遇も受けられます。まずは以上の方法を検討し、将来の年金を増やすことをおすすめします。

老後資金対策2．長く働く

年金受給年齢が過ぎても働いて老後の収入を増やすことは可能です。60～70代ならまだ働ける人も多いでしょう。例えば以下のような働き方があります。

継続雇用制度を利用して働く
再就職する（正社員、パート、アルバイト、シルバー人材センターなど）
これまでのスキルを生かして自営業やフリーランスとして働く

仕事を長く続けるコツは無理をしないことです。そうすれば心身の健康を維持しながら細々とでも老後の収入を増やすことが可能です。

老後資金をためる方法

老後資金を効率的に貯める方法も紹介します。

定期預金・積立定期預金で貯金する

現在家計に余裕がない人は、元本割れのリスクがない定期預金や積立定期預金で手堅く貯金しましょう。上手に貯金するコツは、収入が入った日に貯金に回すお金を口座振替で天引きすることです。そうすると毎月自動的に貯金が増えていきます。

NISA・つみたてNISAを利用する

少し家計に余裕があればNISAやつみたてNISAもおすすめです。こちらは株式・投資信託などの配当・譲渡益などに非課税枠がある少額非課税投資制度で、国が選んだリスクが少ない投資信託などの運用でお金を増やせます。

人生100年時代、しっかりしたマネープランでゆとりある老後を

人生100年時代と言われる昨今、100歳まで生きる人も増えています。100歳まで生きた場合、よほどしっかりした貯蓄をしていないと老後資金が底をつく恐れもあるでしょう。しかし、働き方を変えたり長く働いたりすれば老後資金を確保できる可能性は上がっていきます。今から老後に向けてマネープランを検討していきましょう。

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。

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