新型コロナウイルスの影響による移動自粛や休業要請が解除され、少しずつ以前の生活が戻ってきていると感じる人もいるでしょう。とはいえ、これからの生活は“コロナ前”と完全に同じライフスタイル、というわけにはいかないはず。何よりも私たちの“考え方自体”が変化したのではないでしょうか?ウィズコロナの時代はどのような生活が予測できるのか、さまざまな調査結果からヒントを探っていきます。

高齢層もネットショッピング志向に!

緊急事態宣言が発出される中、“巣ごもり”生活ではネットで買い物を済ませた人も多いことでしょう。そして、どうやら“巣ごもり”明けしても日用品・食材・化粧品などのネット購入は継続傾向にありそうです。

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、国内の20歳以上の男女2万5,884人を対象に2020年4月30日から5月7日にかけて、コロナ影響下での消費動向についてアンケート調査を実施しました。

「20代」「30代」「40代」「50代」「60歳以上」の年齢別に「新型コロナウイルスの影響拡大後にインターネットで購入・契約したもの」を尋ねたところ、一般的に日用品や食品の買い物が多いとされる女性においては日用品・洋服・化粧品の3つのカテゴリで若年層ほど購入した割合が高い結果となりました。

一方で注目したいのは、「各年代購入者の何%が今後もインターネットで購入を継続する意向があるか」という質問で、「20代」が前出の3つのカテゴリ平均で50%前後を推移するなか、60歳以上は70%前後を推移しており、高年齢層の女性ほどネット購入の継続意向が高いことがわかりました。

同社は「(コロナの)影響拡大をきっかけにネット購入を実施した高年齢層はその利便性を知り、若年層より健康・病気への不安が大きいことからも、外出を避けネット購入を継続する意向が高いのかもしれません」と推測しています。

これまで「高齢者=ネットショッピングには疎い」というイメージもあったかもしれませんが、今後はその常識も変わってくるのかも……?

在宅の時間が増えて、戸建ての魅力が高まる?

コロナ禍によって「住まい」に対する意識にも変化があったようです。不動産業を展開する株式会社オープンハウスは、住宅購入を検討する20歳~49歳の男女600人を対象に「コロナ禍を受けた住宅意識調査」を実施しました。

そこでわかったのは、コロナ禍においても“都心・駅チカ”需要は健在なこと。都心での居住を望む人は約8割。駅近を重視する人は約7.5割で、現在のテレワークの拡大からすると少々意外な結果かもしれません。

また、「戸建てへの魅力が高まった」と56.8%が回答しており、その魅力としては「ライフスタイルに合わせて間取りを調節できるから」「隣人や上下階の騒音を気にせずに済むから(73.0%)」「自分の生活音を周りに気にせず済むから(72.0%)」などが挙げられています。

これは一部の調査結果ですが、自宅で過ごす時間が増えたことにより「周囲に気兼ねなく過ごせる」「自分のニーズに合わせてレイアウトなどの自由が効く」など戸建ての魅力や価値が高まったとも考えられそうです。

飲食店は「個室」「貸切対応」がアピールポイントか

あらゆるスペースを貸し借りできるプラットフォーム「スペースマーケット」を運営する株式会社スペースマーケットが、インターネットを通して1,637人を対象に「自粛解除後の外出意識調査」を6月17日~6月22日に実施したところ、家族・ひとり・デートによる外食は7割が再開する一方で、5人以上の集まりは9割の人が控えているようです。

「感染しない/させたくない」感情が根強く、同社では、「個室」「貸切レンタルスペース」を利用した外食がリスク軽減につながると提案しています。

となると、飲食店においても「個室」や「貸切対応」が強いアピールポイントになるのかもしれません。あわせて、キッチン付きレンタルスペースの需要も高まっていきそうです。