平均寿命が長くなり将来は120歳まで生きる人も出てくるかもしれません。しかし、その場合に大きな懸念となるのが老後資金です。2019年6月に公表された金融庁の資料では「不足する老後資金は2,000万円」と言われていますが、120歳まで生きた場合はこれだけでは足りそうにありません。そこで今回はもしも120歳までいきるとしたら老後資金はいくらかかるのか、老後資金を試算、また老後資金を増やす方法についても解説します。

120歳まで生きた場合に必要な老後資金は約2,200万円

120歳まで生きた場合に必要な老後資金について金融庁の報告書を参考に計算してみました。

120歳までに生きた場合老後資金は2,000万円では足りない

2019年6月に金融庁が公表した報告書によれば夫 65 歳以上妻 60 歳以上の夫婦のみの無職世帯で毎月平均約5万円の生活費が不足するとのこと。65歳から20~30年生きる場合で1,300万~2,000万円の老後資金が必要としています。

この情報を参考に毎月約5万円の不足が65~120歳まで続く場合で計算すると5万円×12ヵ月×55年となり単純計算で3,300万円不足することになります。120歳よりも長生きすればさらに不足額が増える計算です。つまり120歳まで生きると老後資金2,000万円では足りないことが分かります。

状況によってはもっと老後資金が必要な場合も

老後の不足額はあくまでも現時点での試算額です。将来の状況が変われば必要な老後資金が増える可能性もあります。例えば以下のようなケースも考えられます。

  • 将来年金給付額が大幅に減る
  • 病気や認知症、自然災害などで大金が必要となる

10年後20年後、世の中はどう変わっているかわかりません。さまざまな状況を考えると、年金と貯蓄だけでは生活が厳しくなる可能性があります。

老後資金を増やす方法1.将来受け取る年金を増やす

老後資金を増やす方法としてまず検討したいのが将来受け取る年金を増やすことです。次のような方法を検討してみましょう。

  • パートやアルバイトは厚生年金に加入して年金を増やす
  • 自営業なら国民年金基金や付加年金で年金を増やす
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用してみる

老後資金を増やす方法2.老後も年金以外の収入を得る

老後の生活資金を増やすために、ある意味最も確実な方法がいわゆる老後と言われる年代になっても働くことです。

  • 継続雇用制度を利用して働く
  • 再就職する(正社員、派遣社員、パート、アルバイト、シルバー人材センターなど)、
  • 自営業やフリーランスとして働く

収入面だけでなく人や社会とつながり続けることで老後もいきいきと過ごせるというメリットもあります。年金では不足する分を埋めるつもりで無理なく働くといいでしょう。

老後資金を貯めて増やす!おすすめの方法とは

「老後資金をしっかりと貯めておきたい」という人には、次の方法でお金を貯める方法がおすすめです。

  • 定期預金・積立定期預金で貯金する
  • NISA・つみたてNISAを利用する

以上のほか、元本割れせず定期預金よりも若干金利がよい個人向け国債もおすすめです。それらを上手に利用しながら無理のない範囲で老後資金を増やしましょう。

120歳までの老後資金を準備すれば将来の安心材料が増える

120歳、そんなに生きるわけがない。そう思うかもしれません。しかし医学は日々進歩しています。10年先、もしかしたら元気な120歳が出てくるかもしれません。人生にとって健康とお金は欠かせないもの。120歳とまではいかなくとも、健康でゆとりのある老後を手に入れるためにも、老後に必要な資金をしっかりと考えて、今から準備しておきましょう。

 
文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。

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