韓国のアイドル文化は20年ほど歴史があり、様々な背景を要素として現在では「第1世代」「第2世代」「第3世代」「第4世代」の4つに区分されています。
韓国では、毎月多くのアイドルがデビューを果たしており、インターネットの普及やK-POP自体の知名度もアップしたこともあって、K-POP市場は混戦状態です。オタク用語で「新規」と呼ばれる方は、グループと情報の多さに驚いていることでしょう。
今回は、 第1世代から第4世代までの特徴と、属するアイドルグループの一覧をまとめました。各世代は、アイドルのあり方だけでなく、マーケティング戦略やファンの特徴にも大きな違いがあります。その違いを知ることで、K-POPの情報は整理しやすくなり、さらに楽しめるようになります。
好きなアイドルがどの世代なのか、K-POPの歴史はどう変わっていったのか、ぜひチェックしてみてください!
- ▼この記事でわかること
- K-POPグループの世代分けと各特徴
- 第1〜第4世代の主なグループ一覧
- 第1〜第4世代のファンとファン文化の特徴
- 第1〜第4世代の人気曲
- 第4世代人気K-POPグループランキング
1.K-POPの「世代」とは?
世界中で注目を集めるK-POPアイドルですが、現在は4つの世代に分けて特徴が語られています。
K-POPの歴史を作り上げてきた第1〜3世代のアイドルグループに、第4世代と呼ばれる2019年以降のデビュー組。
アイドルの定義、市場、プロモーション方法に至るまで、コンテンツの特徴がその時代を表す鏡となっています。
2.第1世代 (1996年 ~ 2004年)
韓国アと言われるイドルの元祖と言われる 第1世代。創世記の特徴をご紹介します。
(1)第1世代の特徴
①韓国アイドルの元祖
韓国アイドルの元祖と言える第1世代。 韓国では、1996年のH.O.T.(エイチオーティー)のデビューを機に、アイドルグループが誕生するようになりました。
第1世代は、漫画の主人公のような外見を武器に、“10代の偶像”的存在でした。韓国ドラマ「応答せよ1997」でも描写されているように、若者の間で爆発的なバズを起こし、熱狂的なファンが集まっていました。
②ペンライトはなく推しカラーのレインコート
現代では、各アイドルグループ独自の公式ペンライトが発売され、ファンはペンライトを持ってライブなど応援します。しかし、当時は応援するグループを象徴する色のレインコートを着て、風船を持って応援していました。
H.O.T.は白色、Sechs Kies(ジェクスキス)は水色と、公式的に各グループを象徴する色が決められていたことが発端のようです。
現在人気のグループでも、SEVENTEENはグループカラー(ローズクォーツ&セレニティ)がありますが、それも第1世代の名残と言えます。
③ヒップホップ文化と国民的グループの誕生
第1世代が生まれる前は、韓国の音楽市場はヒップホップが主流でした。 当時有名だったラップ&ダンスグループ「ソテジワアイドゥル」が解散したことも、韓国にアイドル市場が確立された要因の一つだとされています。
1996年に芸能事務所SMエンターテインメントが、「ソテジワアイドゥル」「アメリカのボーイズバンド」「日本のジャニーズやアイドル」を参考に、H.O.T、ジェクスキス、god、神話、Baby VOX、Fin.K.Lをデビューさせました。
また、S.E.Sは“韓国で初めて成功した女性グループ”と言われており、長く活動できないと言われていた女性グループの中から一早く脱却したと言われています。さらに、将来的に兵役の壁ある男性グループH.O.Tに代わり、日本デビューしたのがS.E.Sです。東方神起やBIGBANG、KARAや少女時代の日本活動が有名ですが、S.E.Sが“イルデ(日本デビュー)”の先駆けでした。
(2)第1世代女性アイドルグループ一覧
- Baby VOX(ベイビーボックス)(1997)
- S.E.S (1997)
- Fin.K.L(ピンクル)(1998)
- BoA(2000)
- Jewelry(2001)
- sugar(2001)
第1世代の女性グループの特徴として、少人数だったということがあげられます。主に3〜5人のグループが多い傾向にありました。
当時人気を博していたBoA除く上記5グループは、日本でも話題となっていたため日本でCDリリース(現在の日本デビュー)も果たしています。
ほとんどのグループが2006年〜2017年に活動を終了しており、メンバーも現在30代~40代前半を迎えています。
(3)第1世代男性アイドルグループ一覧
- H.O.T. (1996)
- Sechs Kies(ジェクスキス)(1997)
- 神話(1998)
- god(1999)
女性グループよりやや規模の大きいグループが多かった男性アイドルグループは、歌やダンスはもちろん、テレビ番組での人気を確立しているグループが多かったようです。
実際、2001年〜2005年には1度事務所との契約を終了していたり自然消滅状態になっていたりするのにも関わらず、2012年〜2018年にかけてテレビ番組への出演や復活コンサートを行っています。
漫画の主人公のような外見を武器に、世代を超えて愛されるグループが多かったのも特徴です。元祖国民的アイドルと言えるでしょう。
(4)ファン文化やファンの特徴
インターネット普及前だったため、推し活は基本オフラインが主流。レコード店で購入したアルバムで楽曲を聴き、推しがTV出演すればビデオテープに録画。コンサートのチケットは独占販売する銀行で入手するため前日から並ぶ人もいました。
前述の通り、K-POPで主流のペンライトも当時はなかったため、グループカラーのレインコートと風船で応援。今でいう「掛け声」文化はこの頃から始まりました。
当時はアイドルグループが少数だった上、ライバル構図が確立しファンはかなり熱狂的だったようです。グループ間のライバル視が激しくファン同士の喧嘩などは韓国ドラマでも描かれています。日本でも昔ありましたが、アイドル同士で噂になると相手に嫌がらせ行為をするなどの問題行動もありました。
また、アイドルの権利もまだ途上前で、追っかけはもちろんプライベートスペースへの侵入なども問題視されぬまま横行していました。