転職を考えている人がなんとしても避けたいのはブラック企業への就職です。気がつかず入社してしまったら、残業やパワハラの横行によって心身ともに衰弱してしまうことにもなりかねません。そうならないよう「入社を検討している会社がブラック企業でないかどうか」についてしっかりと見極めることが非常に重要です。具体的にブラック企業を見極めるポイントはあるのでしょうか?

そこで今回は、募集要項に記載されたキラーフレーズや条件をもとに「見極めポイント」を紹介します。

募集要項にこのフレーズがあったらブラック企業?

ブラック企業の募集要項には、つい関心を向けてしまうような甘い言葉が含まれていることも珍しくありません。甘い言葉にだまされてしまわないよう、以下6つのキラーワードを押さえておきましょう。

1 「未経験者歓迎」「20代が多数活躍」「若手でも評価次第で幹部候補に!」「若い社員中心」
2 「アットホームな社風」「やりがいがある仕事」
3 「将来は独立も可能」
4 「能力次第で昇給あり」「実力主義」「成果主義
5 「自主性を尊重」
6 「積極採用」「大量採用」

1「未経験者歓迎」「20代が多数活躍」「若手でも評価次第で幹部候補に!」「若い社員中心」

「未経験でもチャレンジできる」「入社して間もない社員でも大きな仕事を任せられる」というのは、それだけ人手が足りていない証拠です。もちろん本当にがんばった人が評価され若くして幹部候補になることもあり得ます。しかしそれを前面に打ち出している場合は注意したほうがいいかもしれません。

また「20代が活躍している」ということは、ブラックな企業体質であるがゆえに経験を重ねたベテラン社員の定着率が悪く、安く雇える20代を多く採用しているとも考えられます。若さを強調している企業は要注意です。

2「アットホームな社風」「やりがいがある仕事」

風通しのいい社風や仕事にやりがいを感じられるのはすばらしいことです。しかしあいまいなキラーフレーズのみが並んでいる場合は注意しましょう。「アピールするポイントがない」ブラック企業ほど、アットホームさをアピールする傾向が見られます。

また、アットホームさを強調する企業は、社長が非常にワンマンである傾向が強く、社員を「家族」のように捉えていたりします。いわゆる古いタイプの経営者です。

こうしたタイプの人が経営者だと、「家長である自分(社長)の考えに従うのは当たり前だ」とばかりに、社員の都合は二の次で自分と会社を最優先にしがち。サービス残業が常態化し、休日に仕事の連絡が来るなど、公私の区別がなくなったりします。

3「将来は独立も可能」

その独立がフランチャイズオーナーとしての独立の場合、高いロイヤリティを払い続ける可能性が出てきます。憧れの店舗運営、会社経営、独立したのはいいものの、親会社に高いロイヤリティを払ったら手元に残るお金は雀の涙……なんてこともあります。

4「能力次第で昇給あり」「実力主義」「成果主義」

ゴリゴリの営業会社の求人広告によくみられるフレーズです。ゴリゴリの営業会社では、厳しいノルマが設定されていることがあります。また営業の成果といえば「数字」ですので、その数字が達成出来ないときは、遅くまで残業、給料は低い基本給のみなんてことになります。

営業で力をつけたい、とにかくお金を稼ぎたいといった人には向いていますが、それ以外の人にはかなりハードな会社になります。

5「自主性を尊重」

社員を育成する社風ではない、もしくは経験豊富な社員がいないことから、指導できる人がいないとも考えられます。また「自主性に任せる」といいながら過度なノルマを課せられる可能性も否めません。

「自主性を尊重する」と言葉にするとかっこいいですが、何の指導もないまま仕事をするとなると何をしたらいいのかわからないものです。また、大きな失敗をするリスクも非常に高いものになります。

6「積極採用」「大量採用」

仕事がハードなことから離職者が多く、いつも大量採用を行なっている企業があります。こうした企業は自社の仕事がハードであり、いわゆるブラック企業的な体質であることが多いようです。そのうえで辞める人を見越して大量に採用しています。

待遇はしっかり見極めよう

転職する際、特に気になるのが給与などの待遇です。転職前の仕事よりも給与や待遇がいい求人はつい目を引かれてしまうかもしれません。しかし待遇だけで判断してしまうと思わぬ落とし穴が待っている可能性があります。ここでは以下4つの見極めポイントを確認していきましょう。

1 給与に幅がある
2 同業種の他企業に比べて給与が高い!
3 裁量労働
4 「一部残業代として含む」「みなし残業代」

1 給与に幅がある

求人で「年収300万~600万円」と書かれていたら、つい一番多いほうの「600万円もらえる可能性がある」と皮算用してしまう人も多いのではないでしょうか?しかしあまりにも年収の記載に幅がある場合は、注意が必要です。

例えば厳しいノルマをこなさなければ高給にならない「成果連動給」であったり、みなし残業手当が含まれていたりする可能性も考えられます。

2 同業種の他企業に比べて給与が高い!

1と同じパターンです。厳しいノルマや過度な残業があるなど、必然的に給与が高くなっている可能性があります。またインセンティブなどが盛り込まれ基本給としては低く抑えられているようなケースもあるでしょう。

3 裁量労働

裁量労働と聞くと「仕事を早く終わらせることができたらお得」というイメージを抱く人も多いかもしれません。しかし実態としては、裁量労働を導入していても仕事が早く終わればその分新しい仕事を追加されることもあります。

また裁量労働制度によって残業代を支払うことから免れている企業もあるので注意が必要です。

4 「一部残業代として含む」「みなし残業代」

残業が常態化していたり、残業は黙認しているのに残業代の支払いは抑えたかったりするなどが考えられます。