自民党が4月の衆参5補選で4勝1敗と勝利したのも、解散が囁かれる重要なファクターだが、そういった思惑とはまったく別のところで気を揉んでいるのが警察だ。選挙期間中には、首相を筆頭にベテランから若手まで、各党のあらゆる政治家が街に出るが、昨年7月に安倍晋三氏が街頭演説の最中に凶弾に倒れ、今年4月には岸田首相が遊説先で爆発物を投げ込まれる事件が発生したばかり。絶対に“3度目”は許されない状況だ。
「安倍氏銃撃事件は世界中で報じられ、日本=安全な国という神話が揺らぐ事態に国民は大きなショックを受けました。警察庁長官は責任を取って辞任しましたが、今度は岸田首相が襲われ、警察の威信は丸つぶれです。一連の事件により、街頭演説そのものの是非を問う議論もありましたが、政治家が有権者の前に姿を現し、演説で自身の考えを訴えることは政治活動の基本であり、存在意義を確認する場でもある。次の選挙でも従来どおり、街頭演説は行われます。
こうなると警察にできることは、とにかくガチガチの態勢で警備に望むこと。実際、4月の統一地方選では、与党のみならず野党トップの街頭演説でも見たことがないほどの警官やSPが投入され、緊迫感は並々ならぬものがあり、通りすがりの人から驚きの声が上がっていました。
総選挙となれば、主要駅前では各党の代表が声を張り上げ、通常でも千人単位の聴衆が集まりますが、人が集えば集うほどリスクは上がり、警備はますます厳重になる。警察は安全確保のために往来を制限し、警備車両も大量に投入するでしょうから、選挙期間中のターミナル駅周辺は交通がマヒするのは必至。これまでの選挙では、候補者名を連呼する騒音へのクレームが目立ちましたが、今回は街頭の混乱が一番の問題となりそうです」(週刊誌記者)
これでまた、コロナが感染拡大することにならなければ良いが……?