NHKの取材班は、3月に英BBC放送がジャニー氏の性加害疑惑に切り込んだドキュメンタリー『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル』を放送してから、独自取材を進めてきたという。番組の冒頭では、元ジャニーズJr.で歌手のカウアン・オカモトが実名・顔出しで性被害を告発した4月12日の日本外国特派員協会での会見のVTRも流れ、「もし当時大手メディアが報じていたら(事務所に入る)ご自身の選択は変わった?」との質問にカウアンが「たぶん(入所は)なかったんじゃないかと思います」と答える場面があったが、この質問をしたのが『クローズアップ現代』のディレクターだった。

 同局の桑子真帆アナウンサーは、「なぜこの問題を報じてこなかったのか。私たちの取材でも、こうした声を複数いただきました。海外メディアによる報道がきっかけで波紋が広がっていること、私たちは重く受け止めています」と語り、番組をスタートさせた。同番組では元所属タレントや事務所の元スタッフなど100人を超える関係者に取材を申し込み、そのうち元所属タレントで取材に応じてたのは13人だったという。この中で被害を受けたと答えたのは6人で、見聞きしたというのは4人。残る3人は、被害を受けたことも見聞きしたこともどちらもなかったと答えた。元ジャニーズJr.の二本樹顕理さんは顔出し・実名で証言をしている。

「BBCのドキュメンタリー、そして日本外国特派員協会での記者会見が世界的に報じられ、この問題が海外からも注目されていることもあって、NHKの報道部は威信をかけて取材活動を行っているようだ。今後、確実にNHKでのジャニーズの起用へ減るだろうし、今年の『紅白』からはジャニーズ勢を外すのでは、と早くもささやかれ始めている」(音楽業界関係者)

 現在の流れを生んだのはカウアンによる記者会見が大きい。勇気ある告発で脚光を浴びているカウアンだが、つい先日は人気YouTubeチャンネル『街録ch~あなたの人生、教えてください~』に出演。17日に公開されたインタビュー動画後編では衝撃的な暴露をしている。