山下は、幼い頃から留守にしがちな両親に代わり、家事などをこなしてきたしっかり者で、保育園の先生として働く晃を演じる。

 幼い頃から兄の桂一のことが好きで、いつも一緒にいた晃という役柄について、山下は「家庭的で面倒見がよく、心(しん)がぶれない人だなと感じました。ですが、ちゃんと人間味のある不器用さも持っていて、生きにくさを隠しながら普通を装っているのが、どこか切なく愛らしいです」と印象を明かす。

 また、作品に関しては、「桜のつぼみが開こうとしている瞬間をずっと見ているような、強さともろさに胸を打たれ、今作に参加させていただくことを決心しました。兄と妹という2本の糸が、友人や母親の存在を通して絡まり合い、2人にしか分からない世界を魅せてくれます。現実的な問題とそれを超えるような登場人物たちのそれぞれの愛の形に、さまざまな感情がぶつかり合いながら何度も読ませていただきました」と感銘を受けたことを伝える。

 そして、「大切な人を思う気持ちというのは、どんな壁にも臆することのない真っすぐなものです。たとえそれが家族という関係であっても、よどむことなく愛は存在するのではないかと、原作を読んで感じました。晃と桂一の関係をどう表そうと考える日々ですが、共に私自身も喜んだり苦しんだり、2人の日常の中に生まれる感情をすくい取っていきたいと思っております。精いっぱい演じさせていただきますので、放送を楽しみに待ってくださったらうれしいです」と期待を込めている。