大河ドラマ「真田丸」(堺雅人主演/16年)

「新選組!」以来、12年ぶり2度目となる大河ドラマ。今作の主人公である真田信繁(幸村)も「新選組!」同様、歴史上では負け組に属する。三谷氏の興味は、いつもそちら側にあるということだろう。主人公・真田信繁には堺雅人。信繁の父・昌幸には、かつて「真田太平記」(85年/NHK)で真田幸村を演じた草刈正雄。信繁の兄・信之を大泉洋が演じている。

 今回の舞台は戦国時代ということで、大河でおなじみのシーンも多数登場すると思いきや、初回で武田勝頼が退場し、織田信長も第4回で“ナレ死”。ちなみにこの、“ナレ死”というネット用語は、同作についてのツイートから生まれたそう。常に視点を大事にする三谷は、信繁が実際に見ていない事件は描かず、関ヶ原の戦いもあっさりスルーしていた。もともと真田一族については、さほど記録が残っていないということもあり、彼の本領発揮の題材だったのだ。

 ちなみに、物語の前半で西村雅彦(現・まさ彦、以下同)演じる室賀正武が発した「黙れ小童!」というセリフが人気になったが、これは大河ドラマ「風と雲と虹と」(76年/NHK)で露口茂演じる田原藤太のセリフに由来しているそうだ。