7~8月にかかる人が増える熱中症。炎天下、屋外での運動や作業などを行っているときに熱中症になりやすいと思われがちですが、実は熱中症の約4割は屋内で起きています。さらに今年は新型コロナウイルス感染予防のために新しい生活様式が実践され、マスクの着用機会が増えていますが、それによって体温調節がしにくくなり熱中症のリスクが高まるとされています。そこで今年の夏の正しい熱中症予防について知っておきましょう!

熱中症は屋外だけじゃない!室内で何もしていなくても要注意

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熱中症とは、高温多湿な環境に長くいることで少しずつ体の中の水分や塩分のバランスが崩れて、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態になることをいいます。

屋外で発症するイメージがありますが、屋内で何もしていないときでも発症します。屋内で発症し救急搬送され、場合によっては死亡することもあるため決して油断はできません。熱中症の症状はさまざまですが、主な症状は以下の通りです。

めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、気分が悪い、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、いつもと様子が違う。

さらに症状が進むと、返事がおかしい、意識消失、けいれん、体が熱いなどの症状が見られるようになり、自分で水が飲めない、意識がないという状態のときにはすぐに救急車が必要です。

意識があり自力で水分が補給できるときは、涼しい場所に避難して服をゆるめて体を冷やし、水分・塩分を補給しましょう。大量に汗をかいている場合は、塩分の入ったスポーツドリンクや経口補水液、食塩水などがいいでしょう。それで症状がよくなるようであれば、そのまま安静にして十分に休息をとります。

マスクによる熱中症の防止にこまめな水分補給を!

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特に今はマスクの着用によって皮膚からの熱が逃げにくくなり、体が体温の調節をしにくい状態になっています。だからこそ暑さを避けて水分をしっかり補給する熱中症予防が重要になります。

熱中症を予防するために、可能ならば屋外で人と2メートル以上の十分な距離を取れるときにはマスクを外しましょう。人との間に十分な距離が取れないときにはウイルス感染防止のためにマスクの着用が欠かせません。気温や室内湿度が高いときは特に熱中症への注意を心がけてください。

マスクをしたまま負荷のかかる作業や激しい運動をしないようにしましょう。そしてやはり長時間マスクを着用したままにしないように意識し、周囲の人との距離を十分に確保した上で、適宜マスクを外して休憩を取ることが大切です。

また、大切なのはのどが渇いていないと思っても、こまめな水分補給を欠かさないことです。水分補給の目安は1時間ごとにコップ1杯、1日あたり1.2リットル。入浴前後や起床後もまずは水分を取るようにしましょう。さらに大量に汗をかいたときには、塩分補給も忘れないでください。

家庭用エアコンの使用中は「換気」が必要!

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新型コロナウイルス感染防止のための「新しい生活様式」において大切なのが「換気」です。一般的な家庭用エアコンは室内の空気を循環させてはいますが、換気は行っていません。ですから、家でエアコンを使用しているときは窓やドアを開けこまめに換気しましょう。

その際、エアコンを止める必要はナシ。窓やドアなど2ヵ所を開けて、扇風機や換気扇を併用するといいでしょう。さらに換気後はエアコンの温度をこまめに再設定します。部屋が暑くなり過ぎたり寒くなり過ぎたりしないように気を付けましょう。

また、暑さに備えた体力づくりや日頃の体調管理も熱中症予防には効果的。本格的な暑さになる前の時期から、無理のない範囲で適度に運動をするといいでしょう。

その場合はエアコンの効いた涼しい場所よりは、「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じるくらいの強度で毎日30分程度を目安に。もちろん水分補給は忘れずに!運動は大切ですが、体調がすぐれないときは決して無理せず静養しましょう。