大山役の永山は「漫画原作はとても面白くて、ぜひやってみたいと思って飛び込んでみたものの、いざ自分が演じるとなると、いろいろ難しかったです。監督が藤子・F・不二雄先生の熱烈なファンということで、身をゆだねて演じました。漫画のコマと同じような構図で撮りたいとおっしゃられるのですが、なかなか漫画そのもののように表現することはできず、やはり生身の人間が演じるということでそれなりに工夫したつもりです。原作を知らない方にも十分楽しんでいただけると思いますので、お楽しみに!」と役作りでの苦労を打ち明ける。

 細川役の袴田は「藤子・F・不二雄先生の生誕90周年という節目に出演のお話をいただきありがたい思いです。数多くの作品の中から今回、『箱舟はいっぱい』細川役を演じさせていただきました。1974年に発表されながら、今も現実に起こりうる可能性があるのでは?と考えさせられる不思議な作品。人類の終焉(しゅうえん)が訪れるということを実際に自分が知ったら、一体どんな時を過ごしていくのだろうと、考えさせられました。皆さんもこの物語の1人として実在するなら誰とどんな時を過ごしていくのか考えながら見てほしいです」と作品への思いを語る。

 大山の妻役のさとうは「彗星が地球に衝突し、人類が滅亡してしまうかもしれない。何が本当で、誰がうそをついているのか。『箱舟はいっぱい』は約50年前に描かれたお話で、私は出演のお話をいただいてから初めて漫画を拝見しました。彗星に限らず、今の時代にもあり得そうな、意外に身近な内容だと感じ震えました。本多アシタ監督の原作への愛と敬意を存分に受け、永山さん演じる大山もとても愛らしく、楽しませていただました。ぜひお楽しみにお待ちいただければと思います」と作品と撮影について触れる。

 連絡員役の古田は「藤子F先生はほんわかした空気の漫画が多いですが、実は非常にブラックな漫画も描く人だということは知っていました。原作を読んで、最後ハッピーエンドに終わらせないぞ、という気概が見えて、ちょっと悪い感じで終わるのがF先生っぽいな、と思いました」と物語の感想を伝え、「演じた連絡員の役は、原作でもかなり間抜けな感じの人なので、そのように演じた方が、ラストシーンが気味悪くなるのではないかと思って演じました。15分のドラマですが、すごく豪華なキャストで、おいらは東野幸治さんとみっちゃん(清水ミチコさん)の架空のテレビ番組を楽しみにしています」と出来栄えに期待を寄せる。