そんな『レジェンド&バタフライ』が突然のサブスク解禁に乗り出したのは、やはり“赤字”が背景にあると指摘されているようだ。

「日本ではまずセルメディアで販売し、その後レンタル、有料チャンネルでの放送、最後に地上波放送……という流れが一般的で、サブスク解禁も放送タイミングに合わせることが多かったですが、近年は戦略的にサブスク解禁を早めるパターンも出てきています。

 特に今回のケースは、東映も配給に関わっていた『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の成功例を意識したものではないでしょうか。『シン・エヴァ』は多くの劇場で公開が終了してから1カ月と空けずにアマプラ(Amazon Prime Video)で独占配信を始め、世間を驚かせましたが、あの戦略の背景には、熱心なファンが多いためサブスク先行配信をしてもDVDやBlu-rayの購入需要にさほど影響が出ないとみられたこと、そしてプラットフォーム独占での配信によって有利な条件での契約が可能になることがあったと考えられています。日本でアマプラは2位のNetflixの2倍以上の会員を抱え、SVOD市場の3割を独占しているとされるなど圧倒的に強いことも影響したでしょう。『シン・エヴァ』は興収100億を突破するなどの大ヒット作だった点で『レジェバタ』とは違いますが、『シン・エヴァ』のサブスク解禁戦略が成功したのを踏襲した可能性は高そうです。木村のファンも、セルメディアで販売されればちゃんと購入してくれるでしょうし」(同)

 Prime Video会員であれば、12日より世界200以上の国と地域で見放題となる『レジェンド&バタフライ』。日本では不評の声が多かった“トンチキ”時代劇だが、ひょっとすると海外ウケする可能性もあるかも?