看護師が転職に踏み切れないのは病院のローカルルール⁉あるある5選
看護師が転職に踏み切れない理由として、病院のローカルルールが強すぎるというのがあります。ここからは、PRIMEライター乃原が病棟看護師時代に経験した病院のローカルルールとあるあるをご紹介します。
(1)総合病院の場合退職意向調査は年1!過ぎてしまうと退職を断られる場合も
病棟の看護師に疲れ果てた私は、秋ごろに退職の決意をしました。退職の意向を病棟師長に伝えたところ驚愕の返答が。
師長「あれ?意向調査は6月に取ったよね?うちの病院は市立だから退職予定の人を計算して来年度の人員数を決めるから今更退職の意向を出されても無理よ~!また来年の6月の意向調査で出してね!」
PRIMEライター乃原「…え?ってことは、最低あと1年半は辞められないの?」
このときの絶望感は半端なものではありませんでした。民法では、正社員などの無期雇用者は退職の申し出はいつでも可能で、退職の申し出から2週間後に契約が終了すると定められています。
しかし、病院という独特の世界では直前の退職の申し込み=非常識となっている場合も。
ちなみに、私は上記のビックリ体験から言われた通り、1年半勤めて退職しました。
退職を希望する場合、民法や病院の就業規則を確認してから退職の意向を伝えましょう。「民法」と「就業規則」では、「民法」の方が優先されます。しかし、急に2週間後に退職という形を取ると、職場も急な対応に追われ円満退職が難しくなる場合も。やむを得でない限り、就業規則で正しい順序で行動すると、円満退職ができますよ。
(2)年休を使って退職できないからもったいなくて辞められない
基本的に有給は取得できない職業の看護師。有給は、師長が勝手にシフトに組み込んでいますよね?病院勤めのときの私はこう思っていました。
PRIMEライター乃原「有給ってなんのためにあるんだろう?」
本気でママさん看護師が子供の体調不良のときに使う休みだと思っていました。
基本的に有給の残期間は35日以上。時効で消えてしまう休みがほとんどでした。退職の際に有給を消化できるなんて、おとぎ話です。
かつて、先輩看護師が有給を全て消化して退職したことがありました。このときは病棟はおろか、病院全体の噂になりました。
お局看護師Aさん「あの人は有給使ってるんだよ!あり得ない!そんなことしてる人今までいなかったよ!」
神的優しさの先輩看護師Bさん「〇〇さん、有給全部消化するのは権利だって市役所に直談判したらしいよ。すごいよね。でもさ、有給って捨ててナンボじゃない。ちょっとビックリだよ~」
年齢の近い先輩看護師Cさん「もうやだ!ただでさえ人が少なくて忙しいのに〇〇さんは有給!?今から私達が人手不足のカバーをしないといけないんだよ!勘弁してよ~!」
そんな世界で新卒から働いていた私は、有給=使うのはご法度という考えが染みついていましたし、人が1人いないと自分の受け持ち患者さんは2~3人は増え休憩すら取れない状況となります。
自分の余裕が無かったというのもあり、有給を使って退職をした先輩看護師に対して憤りを感じました。
しかし、有給を消化して退職をするのは当たり前の権利ですし、正しい行動です。
私の勤務していた病院はどこもマンパワー不足で受け持ち人数もとても多かったのでどの看護師も心に余裕が無かったのだなと思います。
(3)1つの場所で勤めるのが正義という考え方
病棟の看護師をしていると、新卒からずっと同じ病院に勤務している先輩が多くいます。
だからこそ、数年で退職を決意する自分は何か悪い判断をしているのではないか?と不安になり、転職に踏み切れないケースがあります。
その職場が自分に合っていれば退職する必要はありません。しかし、転職したい・退職したいと考えるということは、少なからず今の自分に合っていないのではないでしょうか?
自分が長く勤めたいと思える新しい職場を探すのは、より良い人生に変えるための素晴らしいステップですし、退職=悪ではなく、むしろポジティブに捉えるべきだと私は考えています。
職場を変えることで、キャリアやスキルアップに繋がるので、メリットがたくさんあるのです。
(4)同じ病棟の人からの引き止めが強すぎる
退職を決意すると、まず同期や同じ病棟の話しやすい職員に相談すると思います。すると自分ってこんなに必要とされているの?と驚くくらい強く引き止められた…そういった経験はないでしょうか?
一緒に働いている人から引き止められると、どんなに強い意志を持っていてもその意志は揺らいでしまいます。
大切な仲間と一緒に働けなくなる寂しさから転職に踏み切れない…ということはありますが、自分の人生を振り返ったときに後悔しないようによく考えてみましょう。
(5)マンパワー不足すぎて辞めるのが申し訳ない
毎日めまぐるしい業務。一人欠員が出ると残業4時間は余裕で確定。
なのに今日は院内研修…残業代のつかない院内研修を1時間受けた後に残業スタート。
看護師の受け持ちは基本7対1なのに、人が足りないから今日の受け持ち数は10人…といった毎日が続く中で自分一人が楽を求めて良いのか?と罪悪感でいっぱいになる方もいると思います。
人員が補充されても、新卒であれば一人前になるには早くても数か月。その間のフォローをする側の労力は計り知れません。
自分が一番過酷な環境を知っているからこそ申し訳ない気持ちになってしまいますよね。
しかし、今後何年も仕事を続けるだろうと思っていた同僚の看護師が、来年スッと退職する可能性は十分にあります。
私が病院を退職した後、ずっとこの病院にいるだろうと思っていた同期や先輩は3年以内に全員退職しました。未来は誰にも分からないので、お互い様の精神で割り切って大丈夫です。
看護師の転職は何年目からでも遅くない!背中を押される理由3つ
看護師の転職は常に需要があります。年齢も、看護師歴も関係ないことがほとんどです。
ここからは、看護師転職に踏み切れない方に向けて、転職に自信を持っていい理由を3つご紹介します。
(1)看護師の転職に年齢は関係なし!看護師歴3年以上ならどの業界でも高需要
看護師は、基本的に病棟で3年以上の実務経験があれば大抵の求人に応募ができます。私は病棟経験丸4年で退職しましたが、実務経験で応募できなかった求人はありませんでした。
もし、あなたが病棟ナースとして3年以上働いているのなら、どこへいっても即戦力として求められますし、思っている以上に看護師としてのスキルは高いです。
興味のある分野に挑戦しても良いですし、ある程度の収入を確保しながらのんびり働ける職場を探してもいいでしょう。
(2)看護師はマンパワー不足の業界なので需要が高い
看護師経験は長ければ長い程良いですが、中には看護師経験が少ないという方もいると思います。
では、看護師歴が浅い場合は使い物にならないのか?という疑問が出てきますよね。答えはNO。
最近は美容医療や訪問看護の世界で、新卒を取っている会社がたくさんあります。退職の理由を明確に説明でき、この職場で働きたい!頑張れる!としっかりした想いを伝えられれば、看護師歴が浅くても採用される可能性は十分にあるのです。
看護師は基本的にマンパワー不足が深刻な業界ですが、じっくりと教育してくれる会社や施設は意外と多いです。気になる求人があれば思い切って応募してみるのをおすすめします。
看護師歴がある程度あれば、引く手あまた状態なので自分の働きたい場所を選んで働けますよ。
(3)40代からの転職も当たり前
近年、看護師を目指す人は増えていて一般企業での社会人経験を経てから看護師資格を取る人もいます。年齢で転職に踏み切れないというのはとてももったいないと感じます。
一般論では年齢が上がるごとに転職のハードルは高くなると言われていますが、看護師として働けるのであれば、40代であっても新しい道へ進めます。年齢は関係ないので、自分の転職したい理由を明確にして最初の一歩を踏み出しましょう。