新型コロナウイルス感染症の影響が広がる中で、首都圏在住の働く20代はどのような不安や危機感を持っていたのでしょうか?4月18~19日、首都圏1都3県に居住する男女6人を対象に行われた、オンライン・インタビューの内容(インテージ調べ)から探ってみましょう。4月7日に東京都をはじめ7都府県に発令された緊急事態宣言が全国に拡大(4月16日)されたこの時期、自粛生活の様子を振り返ってみました。
自身の感染・重症化より、家族や周囲への感染拡大や収入面に不安
- インタビューに回答した6名の主なプロフィール
Aさん:26歳男性、未婚、実家暮らし、技術職、全日在宅勤務
Bさん:29歳男性、未婚、ルームシェア、IT事務職、全日在宅勤務
Cさん:29歳男性、既婚、妻と二人暮らし、役所窓口、全日出社
Dさん:24歳女性、未婚、一人暮らし、経理職、一部出社
Eさん:26歳女性、未婚、一人暮らし、建設設計、一部出社
Fさん:29歳女性、既婚、夫と二人暮らし、事務職、一部出社
インタビューを通して見えてきたのは、「自分が感染し重症化することよりも、知らないうちに家族や周りの人へ感染させてしまうことがないようにしたい」という考え方でした。
インタビューの対象になった人たちは若く健康なため、もし新型コロナウイルスに感染したとしても、重症化はしないと考えていたようです。重症化への不安や危機感をさほど抱くことなく過ごしていました。
一方で、感染しても症状が出ないケースもあるため、周囲の人にうつしてしまうことがないように、不要不急の外出を避け、手洗い、うがい、マスク着用などの感染対策を実行していました。
また、経済が大きな打撃を受けることによって、派遣契約で働いている人は雇用を切られることに不安を感じています。ほかにも無給の休暇が増えたり、残業代が減ったり、収入の減少を心配している人がいました。
在宅時間で自己投資など前向きな対応も
インタビューの結果、適応能力と柔軟性に優れている面も見られました。
新型コロナウイルスでは、感染拡大を防止する対策として「ステイ・ホーム」が求められています。増えた在宅の時間を、前向きな姿勢で過ごしているとの回答がありました。
たとえば、資格取得や投資の勉強の時間に活用する、SNSを参考にして自宅で過ごす時間を工夫するなど、外出自粛を有効に活用し、自分なりのスタイルを確立している様子がうかがえました。
勤務先が講じる対策に影響を受ける
感染の拡大を他人ごとではなく「自分ごと」と感じるようになったきっかけとして、勤務先企業の対応の仕方があるようです。
新型コロナウイルス感染対策のためにマスク着用や検温が義務づけられ、在宅勤務がはじまったことで、自身が感じていた以上に事態が深刻になっていることに気が付き、危機感が高まったというケースです。
一方で、インタビューが行われた4月半ばの時点で、職場において新型コロナウイルス感染対策が積極的に開始されず、普段と変わらずオフィスに出勤している人は、危機感の高まりが遅い傾向が見られました。