――「僕の心のヤバイやつ」のように原作がある作品では、既にファンの中に声のイメージが形作られていることも。そうした意味で、気を付けていらっしゃることはありますか?
「昔は“みんなは、このキャラクターが出す声をどんなものだと思っているんだろう。どういう声を求めているんだろう”とすごく気にしていました。でも最近は、あまり気にしなくなりました。今は“外部の声”よりも“内部の声”を考えるのが先です。“こういう子だから、こう考えていて、こんな声なんだな”って。最近は、そういったお芝居の組み立てにハマっているんです。それが、今の僕のやり方に合っているのかなと」
――市川は重度の“中二病”。原作の序盤を読んだ時は、“危ない子なのかな?”と思ったのですが…。
「市川は純粋ですよね。とはいえ、心がプラスに傾いている人間ではなくて、そこは僕と似ているので共感できます。ただ、市川はネガティブに向いている気持ちをいったん置いて、行動に移すことができます。困っている山田(羊宮妃那)を助けるため、自分の自転車をバーンと投げるとか。その後、自分がどう思われるか気にしないんです。その行動力は僕と全然違っていて、カッコいい子だと思います」