大河ドラマ「天地人」では上杉謙信役を務め、今回はその宿敵・信玄役。これには「感慨深いものあった」という阿部。「『天地人』からあっという間に14年経っていて驚いていますが、この14年間で培ったさらに深いものを出し切って、信玄としての役目を果たしたいと思っています。当時から抱いている信玄の印象としては、とにかく謙信と共に最強の武将。戦略家で『戦(いくさ)は勝ってから散るものぞ』というように、戦の前から綿密に手を打ち、知略の面でも抜群に頭がキレる人です。一方、諸説あるようですが、父親からも愛情を受けられない不遇な時代があり、その後、若くして父親を甲斐から追放もしているので、相当な苦労があったと思います。その苦労した時代があったからこそ、民を含め、人の気持ちも分かる人でもあったのでしょうし。人としての強さも優しさもあり、それが多くの人々をひきつける力となったのだと思います。そして武田勢は、信玄だけでなく、息子・勝頼(眞栄田郷敦)をはじめ穴山梅雪(田辺誠一)、武田四天王の一人・山県昌景(橋本さとし)など最強の仲間がいたことも大きな力でした。今作でも、チーム武田として、家康が勝手にびびってしまうほどの圧倒的に余裕ある雰囲気を醸し出せたらいいなと思っていますが、皆さんと一緒に芝居をする中で、自然とその空気も作り出せたのかなと思っています」と役柄への理解を深めながら、共演者とともに役を作り上げている。