阿部が演じる信玄は、家康のなすことをすべてを先読みし、赤子の手をひねるようにたたきつぶす戦国最強のレジェンド。戦国を生き抜く厳しさを知らしめる、家康にとって教科書のような人物で、生前も死後も家康を苦しませる存在だ。
阿部は「『どうする家康』というタイトルなので、家康にどれだけ大きな影響を与えたのか。武田信玄といえば、甲斐の山奥にいる、圧倒的な強さをもった武将です。家康にとってかなりの存在感があっただろうし、家康は信玄との戦いの中で戦術も人間性も含めて多くを学び、成長していくのです。今回の大河ドラマの信玄の役割としては、家康にとっての超えられない壁であること。その役目を全うしたいと思っています」と本作での信玄のポジションを語る。
そして、演じる上では、「完璧で神がかった人というよりも、人間らしい面も出せるよう意識しています。クランクイン前は、オンデマンドで大河ドラマ『天と地と』の高橋幸治さんをはじめ、信玄が出てくる過去作品を中心にいくつか拝見しました。実在した人物を演じる前には必ず行くのですが、お墓参りにも伺いました。昔は、自分が演じる武将のイメージが少しでもよくなるようにしたいという思いもありましたが、今はあくまで作品における役割をきちんと捉えて演じようと思っています」と過去作も参考にしながら、役づくりをしていることを明かす。