夏になると無性に辛い物が食べたくなることはありませんか?炎天下に汗をかきながら食べるカレーは、なぜかおいしく感じませんか?韓国やタイ、メキシコなど、アジアや中南米の暑い一部地域ではトウガラシを食べる文化があります。実は、夏に辛い物を食べると、体にありがたい効果が期待できるのです。
辛い物を夏に食べる2つのメリット
暑くて何も食べる気がしない……夏は食欲不振に陥りがちです。放っておくとひどい夏バテを引き起こすことも。辛い物は、そんな夏バテに悩む人の強い味方です。辛い物をあえて暑い夏に食べることで以下の2つのメリットが期待できます。
- 発汗作用で体をクールダウンする効果
- スパイスによる食欲増進の効果
1 発汗作用で体をクールダウンする効果
トウガラシに含まれる辛み成分が「カプサイシン」です。カプサイシンを摂ると交感神経が刺激されて体温はだんだん上昇しはじめます。「体温が上昇するのでは逆に暑くなるのでは?」と感じる人もいるかもしれません。しかし体温が上がると体に備わった体温調節のメカニズムが働いて汗が出てきます。
すると体の熱は汗とともに皮膚から逃げ、皮膚表面の温度は食べはじめたころよりむしろ下がるため、涼しく感じるのです。暑い国で辛いものが好んで食べられるのは、理にかなっているということですね。
2 スパイスによる食欲増進の効果
カプサイシンは、食欲増進の効果があることでも知られています。胃の粘膜を刺激して消化液の分泌を促したり唾液の分泌を増やしたりするとともに、腸のぜん動運動を促進して腸からの吸収を高めてくれるのです。そのためトウガラシ料理は、食欲がないときに食べることで食欲不振の改善が期待できます。食欲を増進してくれる食材は、他にもいろいろあります。
例えばコショウやショウガなど辛みを感じる食べ物には、消化を促進して腸の働きを活発にする効果が期待できるでしょう。
夏の不調に効果的な辛い料理は?
食欲がなかったり冷房による冷えが気になったりするとき、具体的にはどんな辛い物を食べるといいのでしょうか?それぞれの状態に適した料理をいくつか紹介します。
消化機能が落ちている、食欲がないとき
食欲がないときにうってつけなのは、なんといっても「カレー」です。クミンやターメリック、ガラムマサラなどのスパイスには、消化促進作用がありカレーは食欲増進効果が期待できる代表的な料理といえるでしょう。市販のカレールーを使用する際により効果を高めたいなら、お好みでトウガラシやすりおろしたショウガを追加してみてください。
また食欲がないときにもつるっと食べられる夏の定番メニューといえば冷たいそばやそうめんなどの麺類ですよね。これらを食べるときには、薬味を追加することでうれしい効果がプラスされます。例えばワサビをすり下ろしたときにできる香りと辛味の成分は食欲増進、消化促進などに効果的です。すり立てがいいので、夏は特に生わさびを楽しみたいところです。
同じく和の薬味といえばショウガ。夏はやわらかな新生姜が旬なので、すり下ろして冷奴やそうめんに添えたりそのまま味噌をつけたりして食べてもおいしいですね。
冷房などによる冷え
夏は、オフィスなどの冷房の効き過ぎにも悩まされます。冷えが気になる人は、辛くて温かい料理を意識的に食べると良いでしょう。なかでも体を温める作用を持っている山椒やショウガ、コショウ、トウガラシなどを使った料理がぴったりです。例えばショウガのスープや麻婆豆腐、またトムヤムクンやスンドゥブなども良いでしょう。お昼休みは同僚を誘って中華や韓国料理ランチを楽しんでみては?