実は、最後のテーマが「継承」になることは、2018年版のラストで伏線が張られていた。それはローリーの孫、アリソンの手元にあったナイフが必要以上に映されていたからだ。
「継承」というテーマは、今までにも『ハロウィン4 ブギーマン復活』(1988)から『ハロウィン5 ブギーマン逆襲』(1989)にかけてジェイミー・ロードという少女を通して描かれていたが、今作はそれをより具体的に、そして現代的なアプローチから描いたものといえるだろう。
アリソンがジェイミー的な立ち位置でもあるが、少年を転落死させてしまったコーリーもまたジェイミー的であるといえる。立ち位置は同じでも、そこまでに至る経緯や環境が異なる2人が出会い、物語が展開されていく流れからも、恐怖や不安を対照的にどう消費していくかということを描いていて、監督のデヴィッド・ゴードン・グリーンがいかに「ハロウィン」シリーズのテーマを理解しているかということが伝わってくる。
マイケル・マイヤーズはブギーマンのほかに“ザ・シェイプ”という名前があり、これは「かたち」という意味だ。それは邪悪、暴力、狂気、怒り、哀しみなど、目に見えないものの「かたち」を全て表しているのではないだろうか。
つまりマイケル・マイヤーズは目に見え、実在するメタファーなのだ……。
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