ブギーマンは目に見え、実在するメタファー
少しネタバレになってしまうが、今作の冒頭は2019年からはじまる。2019年というと、設定としては『ハロウィン』(2018)と『ハロウィンKILLS』の間だ。21歳のベビーシッターのコーリー・カニンガムが少年の子守をしていると、その少年が突然姿を消し、「助けて!」と叫びだす。このときにコーリーが思い浮かべたのはブギーマンの存在だ。ハドンフィールドという町に住む人々は常にブギーマンの存在に恐怖しており、それが都市伝説ではなく、実際に起きていることだと知っているからこそ、必要以上に不安を掻き立てられるのだ。
それは結果的に少年のイタズラで、コーリーは部屋に閉じ込められてしまう。コーリーはこの時に必要に外に出たいと叫び、ドアを蹴り飛ばすと、外にいた少年は転落し、死んでしまう。脈略もない事件に思えるかもしれないが、この事件はブギーマンへの具体的な恐怖がもたらした事件であり、いかにハドンフィールドの人々の心にその恐怖や不安が根付いていることを表していて、直接的でなくてもブギーマンへの恐怖や不安が二次被害を巻き起こし、それが現在進行形であるということを啓示しているのだ。
そして、その事件から4年後が今作の舞台となっている。
以前、『ハロウィンKILLS』を紹介した際に、2018年版のテーマが「因縁」とするならば、『ハロウィンKILLS』のテーマは「暴力」と書いたが、今作のテーマは「継承」または「呪縛」といえるだろう。
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