病院や薬局で処方してもらうそのお薬、「ジェネリック医薬品」にすればもっと安く抑えられるかもしれません。身近な風邪薬から抗がん剤まで、いろいろな病気でジェネリック医薬品が使えるようになっています。医療費の抑える方法についても考えてみましょう。

「ジェネリック医薬品」ってなに?どうして安いの?

(写真=PIXTA)

ジェネリック医薬品は「後発医薬品」ともいいます。先発医薬品(新薬)の特許が切れたあと、その薬の特許情報を使って他の医薬品メーカーが製造・販売した、同じ有効成分を同量含んだお薬のことです。

通常、新しい薬を開発して特許を取るまでには、たとえば10年以上などの長い月日と数百億円から数千億円ともいわれる莫大な開発コストがかかります。ジェネリック医薬品は、他社が開発して20年ほど経って特許の有効期限が切れてから、公開された情報を元に再開発するだけで済むので、このコストを大幅に下げることができます。そのため先発医薬品よりも安く提供されているのです。

ジェネリック医薬品は、その効き目や安全性を確かめるためのいくつもの厳しい試験をクリアしたものだけが販売されています。「安いから」といって、「効き目がいまひとつ」「副作用が強い」などといったことはありません。しかし先発医薬品とまったく同じものというわけではないので、効果や副作用も先発品とまったく同じではありません。

ジェネリック医薬品で有名な製薬会社には、東亜薬品、沢井製薬、日医工、日新製薬などがあります。

どれくらい安くなるの?

(写真=PIXTA)

ジェネリック医薬品の価格は、薬によって違いはあるものの先発医薬品の2割~5割ほどに設定されていることが多いようです。日本ジェネリック製薬協会が運営する「かんたん差額計算」というサイトで、今の薬をジェネリック医薬品に変えることでいくら安くなるのか調べることができます。

かんたん差額計算

たとえば、「ロキソニン錠」という痛み止めの薬を3日間、毎食後1錠ずつ1日3錠処方されたとします。

その場合、3割負担の方なら薬代は39円ですが、ジェネリック医薬品の「ロキソプロフェンナトリウム錠」などに替えれば15~26円になります。

別の例では、日々服用が必要な高血圧の薬を1日1錠365日飲み続けるとすると、通常7,282円かかるところが、ジェネリック医薬品に変えることで1,335円まで抑えられます。年間6,000円ほどの節約になりますね。

1回なら大きな差にはなりませんが、数多くの薬が必要な方や、長期間に渡って飲み続ける必要がある方には大きく影響してくるでしょう。