「テレビ朝日新人シナリオ大賞」で最終選考員を務めた脚本家・井上由美子氏は「悲劇と喜劇、絶望と希望のバランスが巧み」と評価。両沢和幸氏も「大胆でユニークな発想。隅々までアイデアを目配せして書かれた素晴らしい脚本」と語り、岡田惠和氏も「さまざまな思いを整理して書いたところに技術の高さを感じる」とこぞって絶賛の言葉を送った。
しかし、“昏睡状態の主人公たちが意識下で語り合う“という異色の設定から、岡田氏は「基本的には心の声だけで芝居をしてもらう…という、プロになって俳優さんのことを考えると、なかなか書けないタイプの脚本。でも映像になったものを見てみたい」と、ドラマ化にあたりかなりチャレンジングな試みになるでことにも言及していた。
その主人公・陸を演じることになった川﨑は、「ドラマの話を伺った後、資料を見た時に知りました」と明かし、「大役を任せていただけたこと、とてもうれしく感じました。シナリオは本当にすてきなので、皆さんにどのように感じ取っていただけるか、後は自分の芝居次第だと思い、とても緊張感もありました」と、あらためて大役への抜てきに気持ちを引き締めた。
作品の印象については、「本当にすてきな作品だと感じました。患者たちの意識の中だけの会話という着眼点と発想にはとても驚きましたし、この設定だからこそ描ける心情の変化や人間関係は、今までのどのドラマにもなかった新しい魅力のように思います。人の命のはかなさやもろさと同時に、力強さも描いている作品なので、一つ一つが非常に繊細に描かれており、だからこそ、主人公を演じることへの責任も非常に強く感じました」と力を込める。