◆令和のハウスキーパーを体現する高杉真宙

 穂香は、5期連続成績トップの営業マンだが、私生活では、最新家電を使いこなさず、ろくに掃除もできないゴミだめ暮らし。それなのに周りの男性から勝手に理想のお嫁さんに思われていることにもなんだかもやもや。そこでずぼらな彼女の救世主的な片付け当番となるのが、ドラマタイトル通りの“お嫁くん”の知博だ。

 ある日、全身防備の清掃員姿でやってきた知博が大掃除をはじめる。しかもここでは時計を外し、青い手袋をしている。手袋を脱ぐことで、高杉の腕元の魅力が強調されもする。さらに掃除だけでなく料理もお手の物。穂香のことが好きな知博は、それからほとんど毎晩、晩御飯を作りに来るようになる。

 得意先との会食の後、夜の公園で酔っ払ったサラリーマン二人に穂香が絡まれる。そこへ知博が颯爽と登場し、手にしたお玉で快刀乱麻、成敗する。男性が外で働き、女性が家庭を守るなどという固定観念は、いつの話やら。そんなカビの生えた時代錯誤は、さっさと部屋のすみへ。なるほど、本作が「社会派ラブコメ」と銘打たれているだけはある。令和のハウスキーパーを体現する高杉真宙に大きな拍手を!

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】

音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu