この瀧口に共鳴した阿部は、街の風景にカメラを向け、『フォトタイムス』の表紙写真などを手がける。このふたりに強く影響を受けた大辻は、1960年代末頃から「なんでもない写真」と題したシリーズを手がけ、大辻の愛弟子である牛腸は、自身の周囲の人々や風景を独自の視点でとらえた。「見過ごされてしまうかもしれないぎりぎりの写真」と牛腸自身が語る表現は、1960年代後半から70年代前半にかけて流行した、何気ない日常をさりげなく撮影したスナップショット的なスタイル「コンポラ写真」を代表するものとされている。
シュルレアリスムの影響を受けて「前衛」写真の始まりとなる作品を生んだウジェーヌ・アジェから、スナップショット的な「なんでもない」写真に至る流れを、約270点の作品でたどっていく同展。技巧的なイメージを超えた「前衛」の在り方を示し、現在まで引き継がれる「前衛」写真の精神を探る意欲的な試みとなるだろう。
<開催情報>
『「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄』
会期:2023年4月8日(土)~5月21日(日)※会期中展示替えあり
会場:千葉市美術館
時間:10:00~18:00、金土は20:00まで(入場は閉館30分前まで)
休館日:5月1日(月) 休室日:4月17日(月)
料金:一般1,200円、大学700円
提供元・ぴあエンタメ情報
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