「気になるしごと」で活躍している人が登場するインタビューシリーズです。今回はこの4月からフリーランスとして活動する予定の井崎さんに、キャリアコンサルタント資格を取得したきっかけや、フリーになることを決意した理由、20代の働き方についてお聞きしました。
Profile
井崎 麻結さん
東京都出身。専門学校で教務事務を経験した後、株式会社MAPへ入社。キャリアアドバイザーとして若手キャリアの転職支援に携わる。2023年4月よりフリーランスとして活動予定。
「夢を追いかけたその先」をサポートできる仕事
文系の大学院を卒業後、24歳でアミューズメント系専門学校に就職。2年制の声優・タレント学科の学生を担当する教務事務として3年勤めて退職した後は、しばらくアルバイト生活をしていました。
その後、転職活動のためにエージェントを利用した際、担当のアドバイザーさんに
「井崎さんは営業職のように、数字目標がある仕事が向いているのでは?」
とアドバイスしていただいたんです。
前職では事務の経験しかなかったので、将来的なキャリアの可能性を広げるためにも、未経験で応募できる営業職を紹介してもらうことにしました。
候補のひとつに挙がったのが、MAPのキャリアアドバイザー職。実は他にも数社の選考が進んでいたのですが、MAPの面接で
「第二新卒やフリーター層の正社員転職に特化した部署がある」
と聞き、絶対にここで働きたい!と強く思いました。
教務事務時代の私の役割は、声優になるという目標を持つ10代の学生の夢を叶えるサポートをすることでした。夢を追いかけることも、そのために努力を重ねることも素晴らしい!と心から思う半面、夢が叶わなかったその後はどうするのだろう?という疑問も常にありました。
エンタメの世界で成功できる人は、ほんの一握りです。卒業後の進路として声優事務所や養成所を薦めていたのですが、夢を諦めた後のリスクについては何も教えられなかった。長期的キャリアを示せていないことに、どこか違和感がありました。
若手に特化した転職エージェントなら、あの時納得できなかった矛盾を解消できるんじゃないか。私が抱えていた違和感を払拭するような仕事ができるのでは?そう考えて入社を決めました。
入社後しばらくして、まさに声優業を廃業した方の転職を支援する機会がありました。無事事務職への転身が決まった時は、自分のこれまでの経験がつながったような、どこか報われたような気持ちになったことを覚えています。
キャリアアドバイザーのやりがい
MAPではまず女性の転職に特化した部署に配属され、その後希望していた若手領域部署の担当に。
転職支援はもちろん、若者の就労を支援するNPO法人やハローワークと連携した就職セミナーの企画・運営も担当しました。その他にも未経験からDX人材を育成する新規事業でコーディネーターを担当するなど、4年間で幅広い経験を積むことができました。
転職支援のやりがいは、なんといってもダイナミックな仕事ができるところです。
分業制が一般的である大規模転職エージェントとは違い、MAPはアドバイザーとして求職者の方の転職支援をすると同時に、企業の採用活動のサポートも行う「両面型」と呼ばれるスタイル。つまり、1人で個人営業も法人営業も担当するのです。
業務範囲の広さゆえ仕事量は多く、慣れないうちは大変だった…というか、今だに「仕事に慣れた」とは思いません。退職を目前にしても「新しい知識を獲得しなければ」という感覚が続いています。
もっと知りたい!と思えることが次々と出てくるようになったのも、この仕事を通じて視野が広がったからかもしれません。
キャリアコンサルタント資格をスキマ時間学習で取得
入社から3年経った頃、国家資格キャリアコンサルタントを取得しました。
きっかけは、直属の上司が同資格を取得したこと。それまでは「へえ、そんな資格があるんだな」程度の認識しかなかったのですが、コロナ禍で時間に余裕ができたこと、キャリアアドバイザーとして更なる強みが欲しいと考えていたタイミングなども重なり興味を持ちました。
まずは自分が仕事と両立しながらどれくらいのペースで勉強を進められるかを確認するために、準備期間が少なくてもチャレンジできそうな資格の勉強に着手。FP(ファイナンシャル・プランナー)3級とメンタルヘルス3種の資格を、それぞれ約1ヵ月で取得しました。その後、本格的にキャリアコンサルタント資格取得に向けた学習を始めました。
友達にも会えず、気軽に遊びに行けない時期だったので、幸い勉強に使う時間はたっぷりありました。でも、一番役に立ったのは、通勤電車の中でテキストを読み込む癖をつけたこと。片道20分程度ですが、スキマ時間の活用はバカにできませんね。知識が体にしみ込んでいくような感覚があり、毎日積み重ねることの大切さを改めて実感しました。