4年ぶりFLOW×GRANRODEOが復活
持てる熱量を出し切ったかのようなブロックを終えてメンバーがステージから消えると、LEDビジョンが新たな映像を映し出す。良く見ると、それはファンなら誰もが観たことのある、あの7人組のMVシーンだ。ビジョンに「FLOW×GRANRODEO」のロゴが浮かび、着替えを終えたKISHOWとe-ZUKA、そしてFLOWのKOHSHI(Vo)、KEIGO(Vo)、TAKE(G)、GOT'S(B)、IWASAKI(Ds)が堂々とした足取りでステージに登場。巻き起こる大歓声に負けじとバンドがうなり、KEIGOが「FLOW×GRANRODEOです!行くぞ武道館!」と告げて、TVアニメ『七つの大罪』主題歌の1曲「7-seven-」をコール。さらにテンションを上げるオーディエンスを前に、3ボーカルが競い合うように高く跳び、e-ZUKAとTAKEのツインギターがメロディックに吠える、 パンキッシュで圧倒的パワーを放つドリームバンドが、4年ぶりに復活を果たした。MCでは、久しぶりの邂逅に「どうりで楽しいわけだ!」とKISHOWが言いながら、和気あいあいとした爆笑トークを繰り広げる。さらにもう1曲、猛々しくも雄々しい「Howling」を熱唱。ラストでお立ち台から華やかにジャンプしたKISHOWは、ステージ上で転げながら朋友とのコラボレーションを喜び、颯爽とステージを後にするFLOWの5人にオーディエンスが沸き立った。
沸き立つ熱を一度冷ますように、クールなBGMと共にLEDビジョンには雄大な銀河系が映し出される。そしてスケールの大きな宇宙を眼前にした武道館に響いたのは、この日のセットリスト中、唯一のミドルチューン、TVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期EDテーマ「少年の果て」。その壮大な静けさから、波打つジェットコースターは再びギアを上げて昇り出す。ダンサブルな「DARK SHAME」、激しく狂おしいラブソング「偏愛の輪舞曲」でスピードを上げ、『最遊記RELOAD』シリーズの2曲「move on! イバラミチ」と「カミモホトケモ」で、KISHOWが華やかな扇子を振りながらオーディエンスを煽る。
加速度をつけたジェットコースターは、まだ止まらない。真っ赤に燃え上がる惑星の映像をインターバルにして届けられたのは、『黒子のバスケ』と共にGRANRODEOの代表曲が捧げられた『文豪ストレイドックス』ゾーンだ。「TRASH CANDY」「Deadly Drive」「セツナの愛」と、緑と青のライトが浮かびあがるe-ZUKAの7弦ギターが火を吹き、流れる血を絞り出すようなKISHOWの気迫に満ちた歌声と必死に振られるペンライトが、武道館のすべてを真っ赤に染め上げる。
汗で額に前髪を張り付け、息を整えながら「予測していた通り、タフなライブになっております」と語るKISHOWに、まだ暴れられるぞ!と言わんばかりに応えるオーディエンス。KISHOWの顔に思わず苦笑いが浮かぶ。武道館公演前日までの話をして、「ここからさらに登りつめていくようなナンバーが待ち受けている」「弱気は最大の敵。この作品の根底にはどこか、自分と対峙しろ、絶対に負けるなというテーマが流れているような気がします」と語って、全32曲を走りきるというGRANRODEO自身の戦いを彷彿とさせる超重量級の「情熱は覚えている」「Treasure Pleasure」「BEASTFUL」が連なる『バキ』ゾーンへと突入。ライブの人気曲「NO PLACE LIKE A STAGE」では客席の熱気を喰らい尽くすように、これでもか!と瀧田が、SHiNが、e-ZUKAが重いサウンドを叩きつけ、KISHOWはステージを一歩一歩踏みしめながら、吹き出すスモークを吹き晴らすように、全力で声を張り上げる。
少し放心したような顔で「ちょっと感動だね。一人だったら泣いてるね」と笑みを浮かべたKISHOWは、「本当にやれて良かった。正直、ヤバいセトリです。腹ちぎれそうです。今日、足が攣ったのも2回や3回じゃございません! でもみんながいたから頑張れたし、楽しい!」と本音を漏らし、アニソンは「頑張ろうとか勇気とか、普遍的なとこに行きやすいけど、でもそういう普遍的なテーマこそが、我々人間の生きて行く根源、嘘偽りない感情や言葉の動力源だったりするのかなと、改めて気づかされました」と、真っ直ぐに語る。そして「本編最後の曲として、今日も、そしてこれから先も“やれるんだ!”ってことを、今から証明しようじゃありませんか!」と告げて、『黒子のバスケ』ゾーンでまだ演奏されていなかった「Can Do」をコール。激しい手拍子が巻き起り、KISHOWのカウントに応えるように、ステージ下から打ち上げられた銀テープが、キラキラと輝きながら客席に降り注ぐ。この10年間、何度もライブで歌われてきたこの曲。だがこの日ほど、GRANRODEOが与えてくれる勇ましい言葉達が胸に染みた「Can Do」は、かつてなかった。
メンバーが手を振って去った後も、興奮はけっして冷めない。アンコールが続き、ライブTシャツに着替えた4人がもう一度ステージへ。e-ZUKAが感激した表情で「夢じゃないんだね!」とオーディエンスに話しかける。さらにKISHOWから、6月のファンクラブツアー開催に加えて、9月からの全国ツアーが決定したことが告げられると、この日一番の拍手が起こり、会場が揺れた。
そんな新たな興奮の中、アンコールに届けられたのは、彼らのライブアンセムのひとつ「modern strange cowboy」。華々しいアウトロが終わり、これでアニメタイアップ全32曲をついに完走だ!と思われたその時。SHiNのドラムが聞き覚えのあるリズムを刻み、KISHOWが「Go For It! Go For It!」と声を重ね、e-ZUKAがおなじみのリフを弾き始める。オープニングナンバーだった「Go For It!」で残されていた「I.G.P.X」のコール&レスポンスを、最後のお楽しみとして取っておいてくれたのだ。10回以上のコールを重ね、ラストはKISHOWがe-ZUKAと肩を組んでマイクを分け合う場面も! 空気を切り裂くKISHOWの「Rock You!」のシャウトが、日本武道館の隅々まで響き渡った。
ライブではおなじみの曲、久しぶりに演奏される曲……どのナンバーも強く、楽曲が彩ったアニメ作品を改めて呼び起こしてくれた『"Rodeo Jet Coaster"』。最後にe-ZUKAが、12年前の3月11日の出来事に触れながら「そんな中でも皆さんが、GRANRODEOの曲を聴いて元気が出たと言ってもらえたことに、僕たちはとても勇気をもらってました。そんなふうに元気を出してもらったり、皆さんの生活に寄り添えるアニソンを、これからもいっぱい作っていきたいと思う1日でした」と語ったように、彼らの足元に繋がるアニソンというジェットコースターのレールは、GRANRODEOが音楽をやめない限り、ファンを乗せてどこまでも続いていくに違いない――。
<ツアー情報>
『GRANRODEO LIVE TOUR 2023』
9月1日(金) 福岡・Zepp Fukuoka
開場 17:00 / 開演 18:00
9月2日(土) 福岡・Zepp Fukuoka
開場 14:00 / 開演 15:00
9月17日(日) 大阪・Zepp Osaka Bayside
開場 17:00 / 開演 18:00
9月18日(月・祝) 大阪・Zepp Osaka Bayside
開場 15:00 / 開演 16:00
10月20日(金) 東京・Zepp DiverCity
開場 17:00 / 開演 18:00
10月21日(土) 東京・Zepp DiverCity
開場 16:00 / 開演 17:00
11月11日(土) 宮城・Sendai PIT
開場 17:00 / 開演 18:00
11月12日(日) 宮城・Sendai PIT
開場 15:00 / 開演 16:00
11月18日(土) 北海道・Zepp Sapporo
開場 17:00 / 開演 18:00
12月1日(金) 愛知・Zepp Nagoya
開場 17:00 / 開演 18:00
12月2日(土) 愛知・Zepp Nagoya
開場 15:00 / 開演 16:00
【チケット料金】
■Zepp会場
1Fスタンディング:8,000円(税込)※入場整理番号付
2F指定席:8,000円(税込)
■仙台PIT
オールスタンディング:8,000円(税込)
※枚数制限:一人様1公演につき2枚まで ※別途ドリンク代
※未就学児入場不可
※営利目的の転売禁止
※転売チケット入場不可
※オークション等への出品禁止
※出演者変更に伴う払い戻しはできません。
※本先行のお申込みは電子チケットのみとなります。
※会場内での迷惑行為禁止
※マスク着用必須
※新型コロナウイルス感染症対策にご協力をお願いいたします。
【ロデオ組最速先行】
受付期間:3⽉11(⼟) 21:00〜4⽉16⽇(⽇) 23:59
提供元・ぴあエンタメ情報
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