バラエティならではというところでは、スペシャル・拡大版の放送が多いことや、必ずしも毎週放送されるというわけでない不規則な編成の番組が少なくない点も挙げられる。3月25日(土)~3月31日(金)週にランクインした『トークィーンズ』や『それSnow Manにやらせて下さい』などが4月1日(土)~4月7日(金)週に姿がないのは、後者に放送がなかったため。4月1日(土)~4月7日(金)週に3位にランクインした『世界の果てまでイッテQ!』が3月25日(土)~3月31日(金)週にいないのも同様の理由だ。
その中で(『水ダウ』や『アメトーーク!』以外で)安定的な強さを見せているのが、日テレの『月曜から夜ふかし』、フジテレビの『人志松本の酒のツマミになる話』、TBSの『マツコの知らない世界』、日テレの『King & Princeる。』、テレ朝の『あざとくて何が悪いの?』あたりだろうか。マツコ・デラックスは特番でふたたび復活した『アウト×デラックス』も4月1日(土)~4月7日(金)週にランクインしており、TVer視聴者層との相性の良さがあるのかもしれない。
先ほど『水ダウ』でお気に入り登録者数の話をしたが、お気に入り登録者数が多いからといって必ずしも再生数が比例して伸びるとは限らない。というのも、『テレビ千鳥』は188万人、『ロンドンハーツ』は150万人で、『ツマミになる話』の149万人よりお気に入り登録者数では上なのだが、TVer総合ランキングでの推移では『ツマミになる話』のほうが圧倒的に上なのだ。『ロンハー』は、TVerが公式に発表した「2019年度番組再⽣数ランキング」ではドラマも合わせた総合で4位になるなどかつては勢いがあったことを考えると、ちょっと寂しい結果でもある。
バラエティは企画内容(や出演者)が回ごとに違い、放送スケジュールも一定でないことも少なくないため、連ドラのような単純な比較がしづらい。また、ドラマは「もう一度見たい」「あのシーンを何度もおかわりしたい」といったリピート需要が比較的多いが(『silent』の爆発的な再生回数もそこに起因するものとみられる)、バラエティは(アイドルが出演しているとかでないかぎり)そういった需要も薄いだろう。だが、なかなか興味深い結果になったのではないかと思う。今後も機会があればバラエティのほうも取り上げたい。