次は、杉本哲太「青くてごめん。」(85年)。「キリンレモン2101」のCMに起用され、タイトルは商品のキャッチコピーにもなっていたようです。CMには南野陽子さんも出演されていて、港でバンドを従えて熱く歌う杉本さんを見てあきれ顔の南野さんがめちゃかわいい! 作曲は鈴木キサブローさん、作詞は湯川れい子さんによるもの。ミディアムテンポのロック・バラードで、当時らしいリバーブ深めのサウンドがロマンチックで夢の中にいるような気分に。そこへやんちゃなボーカルが物語に説得力を加え、心つかまれます。甘酸っぱくフレッシュな雰囲気が、キリンレモンを飲みながら聴くのにぴったりです。
4曲目は、杏里「風のジェラシー」(80年)。サントリー「POP」のCMソングとして起用され、作詞は岡田冨美子さん、作曲・編曲は瀬尾一三さんが担当。再生して0.5秒で「やった、いい曲知れた!」と興奮しちゃいました。ストリングスが美しく全体的にオールディーズな雰囲気もあり、なんといってもイントロのサックスの音色に胸が締めつけられます。特に「目を閉じて 押し売りキッス」というフレーズが面白い&チャーミングでお気に入りです。春の海にドライブへ行った時に聴きたい、そんな雰囲気です。
最後は、DA PUMP「Crazy Beat Goes On!」(99年)。DA BUMPの8枚目シングルで、作詞はm.c.A・T、作曲・編曲は富樫明生さん。サントリー「CCレモン」のCMに起用され、メンバーも出演しています。“さぁ、暑い季節がやってくるぞ!”というようなハイテンションなダンスチューンでありながら、アウトロが妙に切なくてキュンとさせられます。「あたらしい時代と向かい合い踊ろう!」という希望のある一節も印象的で、今の時代ではなかなか出てこないフレーズかもしれません。春は不安になることも多い季節ですが、そんな時にそっと背中を押してくれるような名曲です。