梅安に思いをよせるおもん役の菅野美穂、留守宅を守るおせき婆さん役の高畑淳子は2作とも変わらない。仕掛人の元締め・白子屋菊右衛門役に石橋蓮司、回想シーンの梅安の師・悦堂役に小林薫が扮している。その他のキャストをゲストスターと呼んでいるのは、明らかにシリーズの作り。『仕掛人・藤枝梅安2』のゲストは、佐藤浩市、椎名桔平、一ノ瀬颯。個性派というだけでなく立ち姿も粋に決まる役者たちが名を連ねる。
さらに、この作品の醍醐味は「時代劇、新時代」をめざすスタッフの意気込みが伝わってくることだ。例えば、ろうそくの灯しかなかった江戸時代の夜は、ずいぶん暗かったはず。その闇を、高感度4Kカメラを使い、リアルライティング、低照度で撮影。見事にそのイメージを体現させてくれる。同じように、風景もVFX、CGを駆使して、リアル感のある江戸が映し出される。
もうひとつ。池波正太郎作品の大きな魅力のひとつは「食」。これについてもこの作品は相当こだわっている。料理監修を担当したのは日本料理店「分とく山」の総料理長・野﨑洋光さん。『池波正太郎の江戸料理を食べる』という著書もあるほどの池波ファンだ。描かれている時代にふさわしい食材、調理法にも心をくばり、食べるシーンだけでなく、ただ隅に置いてある料理も、すべて実際に野崎さんが作った。もし口にしたらおいしいだろうなと、観る人が感じるようにできたてを供したという。
暗闇のなかの闘い、湯気たちのぼる鍋……。映画の神様は細部に宿る、と信じた映画人たちの仕事の数々。映画館の大スクリーンで観てこそ、と思う。
最後にひとこと。おみやげ映像あります。エンドロールがでても、すぐに席をお立ちにならないように……。
【ぴあ水先案内から】
平辻哲也さん(映画ジャーナリスト)
「……椎名桔平、小林薫、佐藤浩市ら脇を固める俳優も豪華。大人が楽しめる時代劇になっている」
(C)「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社
提供元・ぴあエンタメ情報
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