――句集発売おめでとうございます。句集完成の心境をお聞かせください。

梅沢 「『プレバト!!』で初めて俳句というものをやらせていただいた時は“俳句は五七五”という知識ぐらいしか知らず、夏井先生から教えていただいてから約3年、まさか句集を出せるようになるとは夢にも思いませんでした。これも皆さんのおかげでございます。ありがとうございます」

夏井 「このような世界で生きてこられた方ですから、習い事に対して非常にストレートに努力をされていました。ババア、ババアと散々言われましたが、句柄(俳句の持ち味)も王道をしっかりと通し、真剣で素直な学びをしてくださる梅沢さんに感銘を覚えております。出来上がった句集は成果のある文芸作品としての1冊になっておりますので、楽しみにしていただけたらうれしいです」

――「句集 一人十色」のタイトルの由来を教えてください。

梅沢 「私という一人の役者が歌ったり踊ったり、いろいろな役をやって今があります。思い起こせば初めてテレビに出たのは昭和57年のTBSドラマであったり、女形では知られていましたが、いざ局に行ったら「どちら様ですか」と聞かれたこともあったり、自分はいろいろな顔を持っていたなというのを俳句をやりながら思い出し、ここで十人十色という四字熟語をイメージしました。この場合は“一人がいろいろな色を立てる”というところで『句集 一人十色』と命名する運びとなりました」

――句集完成までの約3年は長く感じましたか。

梅沢 「以前は毎週の出演ではなかったので俳句を考える余裕があったのですが、このご時世で舞台がすべて中止になってしまいました。『梅沢さんのスケジュールが空いているなら出てください』ということで毎回呼ばれるようになり、俳句を考える本数が増えてしまって大変でした。そんな思いをしましたので、句集完成の時間が長い短いと考えるよりも、己との戦いという感じです」