番組が示す「やさぐれ女子」の構図に簡単に乗らない。かといって、番組の企画を台無しにするわけでもない。「やさぐれ界の女帝」という外からのお仕着せをさっさと脱ぎ捨て、番組の設定から外れる素振りを見せることで、周囲が容易にコントロールできない「やさぐれ」の強度を逆に見せつける。もちろん、その後は番組の趣旨にそった発言もするのだけれど、最初の“かまし”が効いているので半身で企画に乗っかってる感がずっと出る。
番組全体の構図に対する引いた視線と、乗るところは乗る態度。YOUのバランス感覚を感じさせる発言だった。
一方、菊地は番組冒頭で「私はすごいやさぐれたいの」とMCの明石家さんまやマツコ・デラックスに訴える。YOUとは対称的に企画の趣旨に全面的に乗るスタンス。かと思うと、番組が進むなかで自分があまり「やさぐれ」に向いてないことがわかると、「あんまり『やさぐれ』に入れてなかったんで、もし『やさぐれ』以外の何かがあったらまた来ていいですか?」と、どんな企画でもいいからとにかく番組に呼んでくれとさんまらに直訴した。
番組が扱ってきた「やさぐれ」があくまでショーであったことを印象づける、こちらもまた巧者の立ち回り。そんな菊池のあたかも節操のない翻身に対し、さんまが「お前、仕事ほしいだけやないか」とツッコミを入れる。麒麟・川島のたとえもさえる。
「おるんですよね、コーヒー飲みたいだけで車屋来るやつ。買う気ないやろ」
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