日本企業の決算発表と「日米のハイテク株」の値動きに注意

東京市場では4月末から企業の決算発表が本格化した。大和証券エクイティ調査部では、1ドル=110円、1ユーロ=135円を前提に、金融を除く主要上場企業200社の2018年度の経常利益を8.6%増と予想している。

ただし、3月調査の日銀短観によると大企業・製造業の2018年度の想定為替レートは1 ドル=109円66銭で、経常利益計画は3.2%減だったことから、実際の決算発表では輸出企業を中心に1ドル=100~105円を前提に減益予想を示す企業が目立ち、株式市場で嫌気される可能性に注意が必要だ。

また、今後は日米のハイテク株の値動きにも注意が必要だ。米国市場ではフェイスブックによる個人情報の不正流用問題に関連してインターネット関連企業に対する規制強化の懸念が続いており、トランプ大統領はアマゾン・ドット・コムが不当に安い料金で商品を配達させていると繰り返し主張している。また、4月19日にはIMFのラガルド専務理事が、アマゾンやフェイスブックを念頭に「ごく少数の企業の手に市場が集中することは中長期的には(世界経済に)有益ではない」と述べ、IT企業への政治的な圧力が世界的にも高まる可能性が示唆された。さらに、アップルについては最新スマートフォン「iPhoneX(テン)」の販売が低迷しているとの観測が広がっている。アップルは5月1日に2018年1~3月期の決算及び業績見通しを発表するが、既に半導体受託生産の世界最大手であるTSMC(台湾積体電路製造)は4月19日に発表した2018年12月期の業績予想で、iPhone向け半導体の需要低迷を主因に売上高予想を下方修正した。また、日本でもアップルやアジアのスマートフォンメーカーの販売不振を背景に、電子部品大手6社(村田製作所 <6981> 、TDK <6762> 、京セラ <6971> 、日本電産 <6594> 、アルプス電気 <6770> 、日東電工 <6988> )の2018年1~3月期の受注額の伸びが鈍化したと伝えられている。

上記を加味すると、目先の東京市場ではハイテク株に対する買いは手控えられ、原油高や世界的な金利上昇を背景に資源関連株や銀行株などの非ハイテク株が買われる可能性もあるとみている。

文・野間口毅(米国CFA協会認定証券アナリスト)/ZUU online

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