新型コロナウイルスが流行し、社会にも様々な影響を与えています。そんな先行きの見えない今の時代だからこそ、身につけておくべきなのが本質を見極めて最適解を導く「コンセプチュアスキル」です。今回はコンセプチュアスキルについて、細かく説明していきます。
Cinq読者の皆さま、おはようございます。キャリアアドバイザーAです。
皆さまの職場では、コロナ禍の影響は出始めていないでしょうか?
私が勤務している職場では、派遣社員の契約終了が始まってしまいました。不況時に強いと言われる医療介護業界ですので、まさかこれほどすぐに影響が出るとは思っていなかったのですが…。とても残念ですし、「雇用の調整弁」のように使われてしまう「派遣」という雇用形態について、少し考えてしまいました。
旅行業界最大手のJTBも、コロナ禍で全従業員の冬のボーナスをカットすると発表しています。最大手がこういった動きに出たことにより、旅行業界全体にも大きな影響を及ぼしそうです。
本質を見極め、最適解を導き出す力を身につけて
さて、今週のテーマは「【コンセプチュアルスキル】について」です。
【コンセプチュアルスキル】は、マネージャー職に就いている方や、初めて部下を持つための研修等を受けたことのある方、人事総務部門で評価制度設計等に携わった方は目にしたことがある言葉ではないかと思います。
一方、この言葉を初めて目にした方もいらっしゃるかと思いますので、まずは基礎的なところから確認していきましょう。
コンセプチュアルスキルとは?
コンセプチュアルスキルとは、「正解のない」課題に直面した際に、その課題の本質を見極め、周囲が納得できる最適解を導き出す能力のこと。「概念化能力」とも呼ばれていて、物事の本質を見極めることで、個人や組織の可能性を最大限まで高めることができる能力のことです。
アメリカ・ハーバード大学の経済学者ロバート・カッツ氏が提唱した、「管理者に求められる3つのスキル」のひとつとしても広く知られています。
管理者に求められる3つのスキルとは、以下の通りです。
1.テクニカルスキル
職務を遂行するための専門知識や技術・能力。
2.ヒューマンスキル
周囲と良好な関係を築き、維持するために必要な対人関係能力。
3.コンセプチュアルスキル
物事を理論的・創造的に捉えて本質を把握し、個人や組織の可能性を最大限まで高める能力。
カッツ氏は、マネジメント層を「トップ・マネジメント(経営者層)」「ミドル・マネジメント(管理者層)」「ローワー・マネジメント(監督者層)」に分け、責任が高まれば高まるほど、コンセプチュアルスキルを高める必要がある、と説いています。
今回、何故このタイミングでCinq読者の皆さまに「コンセプチュアルスキル」についてご紹介したいかというと、今まさに、世の中の誰も「正解」がわからない、難しい時代を私たちは生きていると強く感じるからです。
この状況をサバイブしていくために、今「管理者」でなくても意識しておくべきスキル、それが「コンセプチュアルスキル」であると思っています。
困難な事象から逃げることなく向き合い、広い視野で多面的に物事を捉え、誰にでも分かりやすいように可視化し、具体的な行動に落とし込むためのスキルとして、日頃から意識していきたいスキルです。
コンセプチュアルスキルを構成する14要素について
世の中には、特別なトレーニングや研修を受けなくても生まれつき「コンセプチュアルスキル」を持っている人が一定数いると言われています。それは、こんな人たちです。
- 物事を理論的に考えることができる\
- 物事の本質を見極めることで、皆が納得できる解決策を導き出せる
コンサルティングファーム等にいそうな方たちですね。
例えば、営業職がこのスキルを持っていた場合、担当顧客の業務の問題点を見つけ出し、解決するための提案ができるようになりますし、問題の本質を見極めて解決策を導くことができるようになります。プロジェクトメンバーに居ると、とても心強い人です。
また、現時点で「コンセプチュアルスキル」を持っていないとしても、その「構成要素」を意識して日頃からトレーニングを重ねていけば、身に着けることができるスキルとも言われています。
構成要素は14項目あります。自分にできること・苦手なことを振り返りながら確認していきましょう。