そんな谷脇の彼女・アキコに扮(ふん)するのは、2020年に結成された演劇やコントで話題の8人組グループ・ダウ90000の吉原怜那。吉原は「『とにかくなんでもやります!』という気持ちでこの仕事を受けました。今まであまり漫画を通ってこなかった人生なのですが、10代の多感な時期に『シガテラ』を通っていたら、きっと多大な影響を受けてものすごく斜めに育っていってたんじゃないかと思います(笑)。そのくらいセンセーショナルで刺激的な作品です。アキコはとにかく谷脇のことが大好きで、原作では凛としたまなざしが印象的ですが、相当クレイジーな子だと思います。一見強気ですが、ところどころ弱さも垣間見えて、魅力的な女の子です」と作品の魅力に触れる。
続けて「まだまだ経験が浅く、相当オドオドしながら現場入りしたのですがそれでも『楽しい!』と思えるくらい皆さんがすごく寄り添ってくれる温かい現場です。主演の醍醐さんをはじめ、周りの方々に引っ張ってもらっています」と安心感のある現場であることを述べ、「この現場でいろんな“初めて”を経験しました。モノホン(本物)の未熟者ですが、私なりにこれ以上ないほど、アキコという役と向き合って撮影に挑んでいるので、少しでも『シガテラ』という作品にお力添えできていることを祈るばかりです」と奮闘ぶりを伺わせた。
荻野の親友で、荻野と共に谷脇からいじめの標的にされている高井貴男役を務める丈太郎は、「自分が演じる高井貴男はとにかく真っすぐな人だと。青春時代ならではの偏った意志の強さや行動力には圧倒されました。人間は何か一つのきっかけでよくも悪くもなると思うのですが、彼はまさにそのきっかけ一つで急降下していく。今まで自分が演じてきた中で確実に一番難しい役です。毎日葛藤して、もがいて、台本と原作の行き来をして。でもこんな毎日が俳優としてはとても幸せです」とやりがいを感じている様子。