また、立ち上がって手を振った理由を問われると、「静岡の方の県民性といいますか、シャイな方が多いのかなと思いまして。大勢の方にお越しいただけた分、せっかく見に来てくださった後ろの方の方々にも、ちょっとでも楽しんでもらえたらなと思い、立ち上がって手を振らせてもらいました」と明かした。
道中で印象に残った風景については、「70~80代くらいの方が、『大河よかったよ、さっきも再放送見たよ』と言ってくれたり、5、6歳の子が『氏真さま!』ってワーッと手を振ってくれたり。老若男女問わず、本当に幅広い人たちに今川家は愛されているし、特に今回『どうする家康』を幅広い層が見てくれていて、静岡に縁のある方々が主軸になる大河ドラマを愛してくださっているんだなと感じました。世代を超えた静岡県民の大河ドラマへの愛が印象に残っています」とほほ笑んだ。
そして、父・今川義元から家督を継いでから、今川滅亡までの9年という歳月について聞かれると「氏真にとってはとても長かったと思います。普通の9年ではないので。壮絶なことが起きて、信長だったり武田信玄だったり、豪傑たちに囲まれて、まだまだ若い氏真が家臣にも恵まれず、どんどん闇の中に落ちていく。その苦しみから考えると、とてもとても長かっただろうなと。ドラマの中では、第12回(3月36日放送)の最後に、志田未来さん演じる妻・糸さんの『もう降りましょう』『もう十分です』という言葉でやっと解放されますが、それを思うと、果てしなく長く苦しい9年だったと思います」と氏真の境遇に思いをはせた。